ジョニーのねこまみれ日記

2005/10/03(月)11:30

ある喫茶店の話

四国の山の中のある町、しかも、その町はずれにその喫茶店はある。 周辺住民の数はホントに少なく、しかも、ほとんどが高齢者という過疎地。 ところが、そのお店はいつでもお客が一杯だ。 喫茶店の中は若者からお年寄りまでがひしめいている。 とかいう私もその喫茶店の常連だ。 ちなみに、私の家からその喫茶店までは山道を60Kmは走らなければならない 車だと、早くても1時間半はかかる距離だ。 1杯350円のコーヒーを飲む為に4時間近くの時間と、1300円ほどの ガソリン代がかかる計算になる。 なぜ、そこまでして1杯のコーヒーを飲みに行くのか? もちろん、四万十川の源流近くという地形のおかげで 恐ろしいほど水が美味く、すさまじくコーヒーがうまいという理由もあるが 本当の理由はその店のマスターに会いたいからだ。 その店のマスターの人柄を簡単に説明できないが そのマスターに会いに全国から人々が押し寄せる。 帰り際に、マスターはそのお店に来たお客の写真を撮るのだが その写真が店の壁を埋め尽くし、古い写真を剥がしながら新しい写真を貼っている。 その写真の新陳代謝は何十週にも渡ってお店の壁を貼ったり剥がしたりを繰り返している。 そのお店のマスターの奥様が亡くなられた。 そのことを知ったのは葬儀の後だったので、参列する事は叶わなかった。 そこで、昨日、せめてお線香でもあげさせてもらおうとそのお店に行ってきました。 マスターはいつもの笑顔で、何事もなかったかのように出迎えてくれた。 私が一番心配していたのは 「マスターががっくり気落ちしているのではないか?」ということだったので 少しぽっとした。 でも、よく聞くと 「奥様が亡くなられた時に、この店を続けるかどうか悩んだ」そうです。 でも、 「多くのお客がこの店の事を思ってくれているので続けなきゃ」と、店を開けたと。 奥様が亡くなられてからしばらくお休みしていた喫茶店は 昨日から営業を開始したとのこと。 店内には大勢のお客であふれていた。 商売の基本がこの店にあるとか、 店主の人柄がどうとか そんな事を言うつもりはないが 私が、この店に行くようになってから20年たつ。 そして、これからも行くだろう。そのお店がある限り。 350円のコーヒーを飲みに

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