Jealousy ―11―「あはは・・三蔵も気付いてました?」・・・あははじゃないよ~八戒ちゃん・・。「当たり前だ。こんなに顔に出るヤツも珍しいな。」マジでバカにしてるぅ~っ! 「あーソレなら俺、気付いてたわ。子供だね~♪」悟浄君・・女慣れしてるからって! 「なんで、桃花がサクラに嫉妬すんだよ?桃花?」「なん・・でっ・・て(ゴックン)言われても・・。」 桃花は答えるしかない状態に追い込まれた。 「・・・・やっぱ、あーゆー女の子がイイのかと・・・。」小さい声で言う。 「「「「ハァッ!?」」」」 「声合わせないでよっ・・。だから!男として、あんな華奢な美少女の方が旅に同行させたいって 思うんじゃないかな・・・って思って・・・。」段々と小さい声になってしまう自分が悲しい。 「桃花!バカだぞ!?」 三蔵ではなく、悟空にバカと言われて、桃花は目を丸くさせた。 「そーそー。あんな華奢なオジョーチャンを、俺等の旅に同行させるワケないっショ?」 悟浄が桃花の頭をポンポン叩く。 「桃花と交代でもさせると思ってたんですか?無用な心配ですよ。ねぇ三蔵?」八戒が三蔵を見る。 「・・・まったくだ。」紫煙を吐き出しながら、 「お前みたいに年増で、足が太くて、ケツが大きくて、くそ度胸があって、鼻ペチャでないと 俺等についてこれねぇだろ?」・・・・ふんぞり返りながら言った。 「・・・三蔵。経験を重ねている大人の女で、体が丈夫で、肝が据わっている、 と言う風に解釈したいんだけどさ・・・。」ワナワナと桃花が震えている。 「・・・・鼻ペチャは関係ないんじゃないのおぉっ!!?」桃花がベッドから三蔵へダイブする。 「俺は本当の事を・・「えぇ~いっ!黙れぇーっ!!」 「煙草・・「あっ熱っ!三蔵、てめっ・・「悟浄、俺を蹴るなぁ~!」 4人が乱闘騒ぎになっているのを(もちろん桃花には本気で乱暴しないが) 一人、避難してお茶を煎れる八戒。 「桃花もすっかり元気になって・・良かったですねぇ、ジープ。」 ノホホンとお茶を啜る八戒を、ジープがきょとんと見た。 天竺国 吠登城 「で、どうなの?」妖艶な美女が物憂げに問うた。 「・・・データー不足ですね。僕のお気に入りの“人形”が壊されちゃったんですよ。悲しいなぁ。」 言葉とは裏腹に、楽しげな様子で言う白衣の男。 「你(ニィ)博士。あんまり時間はないのよ?」美しい顔に狂気を含ませつつ、美女がにじり寄る。 「分かっていますよ、玉面公主サマv・・・出来れば拉致って来て欲しいんですけどねぇ。」 その風貌には似合わないウサギのぬいぐるみを弄びつつ、笑顔で言う。 「そんなに三蔵一行に同行している女が気になるの?・・・腕が立つのかしら?」 玉面公主が你博士にしなだれる。 「それはなんとも。ただ僕が昔、戯れに作った蟷螂女を三蔵一行が殺しちゃったんですけどね~ ・・・一枚噛んでいたみたいです♪」 你博士がそっと玉面公主の手を取り、唇を付ける。 「・・・気になっちゃうんですよ・・・イイ実験動物(ウサギ)になりそうなんで。」 「そうねぇ、何かの役には立つかもね。とりあえず偵察隊を送りましょうか?」 「・・無駄ですよv僕の“人形”と同じく帰ってきません。 ・・・・雑魚妖怪ではね。」ニヤリと言う你博士の意味を理解した玉面公主が 「じゃぁ、“王子様”の出番よね。・・・黄(ホワン)博士!紅孩児を呼んで頂戴。」 奥の間に控えていた、女性・黄博士を呼びにやる。 「・・・何か用か。玉面公主。」苦い顔で紅孩児が現れた。 「経文の行方はまだ・・・「ああ、ソレじゃないの。別件よ。」 「・・・何だ。」 「三蔵一行に女が加わったの。人間の女よ。」 「人間の?女が・・三蔵一行に?」 紅孩児には信じられない。なぜ、あんな危険な旅をしている奴らと・・・。 「王子様にも理解しがたいよねぇ?・・・そ・こ・でっ♪」 你博士がニヤニヤ笑いながら、 「キミに、偵察・・あ~んど、出来れば拉致って来て欲しいんだよv」 ジャンル別一覧
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