曲亭馬琴 (著) 白井 喬二 (翻訳)
の『現代語訳 南総里見八犬伝』です。
『南総里見八犬伝』は全九集九八巻、一〇六冊に及び、二十八年をかけて完成された日本文学史上稀に見る長編にして、わが国最大の伝奇小説です。(恐らく最古であるとも思います。)この大作を、白井喬二が雄渾華麗な和漢混淆の原文を生かしつつ分かりやすくまとめた名抄訳がこの作品です。ご存知、“仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌”の八つの徳を体現する八犬士の壮大な長編史伝が、その粋を集めた最も読みやすい現代語訳で、ここに甦えりました。
『南総里美八犬伝』は1814年(文化11年)に刊行を開始し、1842年(天保13年)に完結いたしました。28年がかりの大作で、馬琴は途中失明しながらも口述筆記により最終話までこぎ着けました。前述のように全98巻、106冊です。当時の年間平均発行部数は500部ほどであったが、貸本により実際にはかなり多くの人々に読まれていたと言われています。上田秋成の『雨月物語』などと並び江戸時代の戯作文芸の代表作です。
構成には、『水滸伝』の影響が強く表れております。とくに『水滸伝』では百八の魂が飛び散り、それぞれ豪傑英雄として各地に現われますが、『八犬伝』では伏姫の八の玉が飛び散り八犬士として世に現われる、という物語発端が共通しており、換骨奪胎作品とも評されています。また、『封神演義』の影響もあるという意見もあります。伝奇的な長編物語の古典でもあり、その後の大衆文学など各ジャンルの創作に影響を与え、翻案も数多くあります。
関連作品には、たとえば、NHKの連続人形劇『新八犬伝』などがあります。鳥山明の漫画『ドラゴンボール』も、アイデアは『西遊記』と共に『八犬伝』の玉から来ています。
八つの霊玉とは、仙翁(行者の翁)から伏姫に譲られた水晶の数珠のことです。108つの玉の内の8つの大玉で、「仁義礼智信忠孝悌」と現れていましたが、八房が伏姫を恋い慕うようになってからは「如是畜生発菩提心」の8文字がひとつずつ浮かんでいました。伏姫の自害に伴って数珠が飛散する際にそれぞれの玉の文字が「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」と変わったものであります。残りの100個の小玉は繋ぎなおされて、丶大法師(ちゅだい法師)が数珠として常に携帯している。(丶大法師の“丶大”は合わせると“犬”という字になりますね。)
八犬士同士の距離が近づくと感応しあってその存在を教え、肉体的な傷や病気の治癒を早める力を持っています。
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