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カテゴリ:意
■気になる本 - 田中角栄の遺言 - ------------------------------------------------------- 2010年9月4日(土)午後1時開始で行われた 新宿駅西口での立会演説会の配信された動画をみて、 あきらかに、政策を述べて、自分の意見を主張し、 決して別の候補の悪口は言わず、何故か心に響くものを 感じたのは、私だけではないと思います。 翌日の9月5日(日)午後3時開始の大阪・梅田 ヨドバシカメラ前では、オザワコールがおきて、熱狂的 になっております。政策も論理的でわかりやすいもの でした。 また、9月9日(木)午後3時開始の札幌大通4丁目 公園では、オザワコールがおきて、政策もはっきり 誰の目でもわかるものです。 そして9月14日の臨時党大会での最後の15分の 演説です。その迫力、気概、信念が伝わってきたのです。 何故、これほどの演説ができるのでしょうか。 いわんや、そういえば、現在の日本人は演説に慣れて いないのではないか。真相を解明する努力をせずに 流されやすいのではないか と思うのです。 私の回りの人にも聞いてみました。小沢一郎氏を どう思っているか?と。 ある会社経営者は、マスゴミが垂れ流す情報を完全に 信じきっていました。忙しい人ですから、TVからの 情報に頼ってしまうのですね。しかも、ナントカ信者 のように盲信的に。 またある店長は、私が話をすることに猜疑的でした。 自分が正しい(TVが正しい)と思っているようです。 知人の民主党党員とは、話が合います。 さて、私は前回のブログ「小沢一郎の最終戦争」で ほとんどのマスメディアが小沢一郎氏を攻撃するのを みて、恐怖を感じたものです。 フツーのマスコミでしたら、「反対意見」を掲載 したり報道したりしなければなりませんでしょう。 それがなく、ほとんどのマスゴミが同じ方向を向いて いる・・・過去にもありましたでしょう。こういうの。 (参考)小沢一郎の最終戦争 9月21日の19時57分NHKが臨時ニュースを流した こちらの事件も怖いものです。 ----引用--- 厚生労働省の村木元局長が無罪判決を受けた郵便の 割引制度をめぐる事件で、捜査を担当した大阪地検特捜部の 主任検事が、押収したフロッピーディスクのデータを改ざん した疑いが強まったとして、最高検察庁は、この大阪地検 特捜部の前田恒彦主任検事(43)を証拠隠滅の疑いで 逮捕する方針を固めました。 ----引用--- 組織の関与の有無、彼の過去の裁判に携わった証拠改竄の 有無を徹底的に調査しないといけません。検察ファッショ になってしまいます。 それより、政治家や著名人の不可解な逮捕、裁判について は、超法規的に見直しをして、対処しなければなりません。 (例えば、小沢一郎関係事件、鈴木宗男議員関係、植草一秀氏 の事件、佐藤栄佐久福島県知事問題など) さて、小沢一郎氏の9月14日の演説。政治家として最高の 演説でした。日本にもこういう演説ができる人が いるんだ と嬉しくなります。 「お集まりの皆様、そして国民の皆様、小沢一郎で ございます。」から始まり、全ての項目について 持論を展開しております。 この小沢一郎氏の哲学というか信念はどこから きているのか、興味の風船が膨らんでいったのです。 いま 「田中角栄の遺言 官僚栄えて国滅ぶ」(著者 小室直樹、 出版社 株式会社クレスト社、発行年月 1994年6月 15日)を読み終えました。 著者のプロフィールは、裏カバーにあります。 ---- 昭和7年、東京都生まれ。京大理学部数学科卒、 阪大大学院経済学研究科中退。 東大大学院法学政治研究科修了。 ミシガン大学で計量経済学、ハーバード大学で 心理学と社会学、MITで理論経済学を研究。 昭和55年、ソ連脅威論全盛にあって 「ソビエト帝国の崩壊」(光文社)を発表。今日を 見事に予測。他の追随を許さない自由な発想と鋭い論理は、 きわめて高く評価されている。 ------ 著者は、今月の、9月7日頃に亡くなられたようです。 1932年(昭和7年)9月9日生まれです。 (弟子の副島隆彦教授の情報による) 衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。 合掌 デモクラシー(democracy)というのは、何かご存じ? 民主主義ではありませんよ。辞書によっては民主主義と しているのもありますが。主義は、イズムですから。 著者は、「戦後日本のデモクラシーの中で、(田中) 角栄唯一人が偉大な立憲政治家である」(P190) と述べています。 デモクラシーの反対はご存じ手しょうか? 著者は、「語源的にデモクラシーの反対は何かというと、 シオクラシー。神聖政治である。(中略)「デモ」と いうのは人という意味であるから、極端に言えば、 神様が政治と関係なくて、人間が行う政治であれば、 専制主義であろうと貴族政治であろうと、それから、 民主政治であろうと、みんなデモクラシー。その 反対が、シオクラシー。シオクラシーの例をあげれば 独立をしていた頃のユダヤ人。(以下略)」 (P192)と述べているのです。 ですから、軍国主義もデモクラシーなんです。 そして、デモクラシーが発祥した古代ギリシアでは、 「愚民政治」という意味だったものが、それをはるか 長い期間を要して、1918年に、アメリカ大統領の ウィルソンが第一次世界大戦でドイツに宣戦布告した ときにつかった「世界をデモクラシーによって、 住みやすい場所にするために」という言葉から、 プラスのイメージに変わったというのです。(P197) 何故、著者の引用がこんなに多いかというと、 日本人は、「デモクラシー」という本質を理解できて いない(勿論、私も)ということなのです。 それもそうです。日本の教育には、政治思想、 哲学、(一般の)思想の教育がなされておりませんから。 だから、学習経験がない事柄でインパクトが強く、 たまたま自己探求に入っている人に対して、オウムの ような邪悪な思想や行動様式が一般の人に受け入れ られてしまうのです。すなわち、人は一生学問して いかなくてはならないのです。TVを見る暇は、 ないのです。 だから、著者は、「金をかけてでもデモクラシーを 守れ」(P14)というのです。ところが、政治改革には 金を掛けるなと日本人はいう。金権政治はやめようと いうことになる。でも、この考えがデモクラシーの 否定になると著者はいうのです。 振り返れば、現状でお金を出さなくていいもの、 「空気」に対しては、誰もお金を払ってでも守れとは いいません。冤罪であるのに、CO2(二酸化炭素) が悪い ということで環境税ということも日本国政府 は考えています。でも、CO2は悪くありません。 デモクラシーを日本に定着させるには、たしかな 情報が民に提供されなければなりません。とすると、 日本のマスゴミは、日本にデモクラシーができる ことを歓迎していないということになります。 日本研究で世界的な一人である方が発言をしてます。 「小沢は今日の国際社会において、もっとも卓越した 手腕を持つ政治家のひとりである。ヨーロッパには 彼に比肩し得るリーダーは存在しない。 政治的手腕において、そして権力というダイナミクス をよく理解しているという点で、アメリカの オバマ大統領は小沢には及ばない」(アムステルダム大学教授、 カレル・ヴァン・ウォルフレン) さて著者によると、デモクラシーは非常に壊れやすい。 それを機能させるためには、議会における自由な討論だと いうのです。戦前にはものすごい討論が国会でなされた と例をあげて著者は教えてくれます。また英国の例も。 田中角栄氏は、二つの側面がある(P85)と著者は いいます。一つは数は金というウォルポール的な側面。 もう一つは、ディズレーリを中心とした19世紀の 英国議会全盛期の側面。 ところが、日本の国会法第78条が昭和30年に削除 されて、自由討議の機会は国会から消えたといいます。 デモクラシーは、マニュフェストを大事に尊重し、 官僚を使いこなし、責任は政治家が負い、自由な討論を して政治家として国民の評価を受ける必要があるのです。 それを実践したのが田中角栄氏であり、彼が亡くなって デモクラシーも亡くなった と著者は嘆いているのです。 ところが、同じ考えをもち、討論のような演説を行い デモクラシーを理解していない私でさえも、小沢一郎氏 の演説は、歴史に残る演説だ と思っています。 そして、その演説に、田中角栄氏との共通点をみた からかもしれません。 (参考)私だけが知っている「田中角栄無罪」 小室直樹先生、本当にデモクラシーは、壊れやすい ものなのですね。どんなに費用がかかろうとも、それを 作り上げ、維持していかなければならないのですね。 未来の子供たちのために。 この本は、全ての、この国で生活している人達が 読まなければならない(一生のうちに)と思います。 まだ間に合います。 文章はそんなに難しくありません。政治、思想の 話ですが、高校生以上でしたら読了することができる でしょう。なるべく、30歳になるまでに読了する ことをお勧めします。 尚、出版社からは入手は難しいでしょうから、 図書館、古物商(古本屋さん)で手にしてくださいませ。 (追伸)日本には三権分立(立法、司法、行政)が 確立していないと著者は憂いております。三権は、 官僚が握っていると。こういう話、本当に怖く ありませんか? (鈴木宗男議員の裁判も最高裁は門前払い(上告棄却) したではないか。どこが三審制度なのだ、この国は。 三審制度ならば、公開審議を最高裁はしてみろ。 我々は、実質、裁判は二審で戦うことになる。 世界人権問題としようか・・・) (9/22) 田中角栄の遺言 官僚栄えて国滅ぶ 小室直樹 (クレスト社)平成6年 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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