環境問題はなぜウソがまかり通るのか
■気になる本 - 環境問題はなぜウソがまかり通るのか - --------------------------------------------------------- 一つの意見には、必ず反対意見があります。 私たちは、仕事をしながら、家事をしながら、介護をしながら、勉強をしながら といろいろな活動を行いながら、情報の取捨選択を行っております。 そして、一つの意見に遭遇しても、その意見に反対する方の意見をきき、自分で、自ら判断したいと思うのです。 そのためには、自由に取材活動をできない私たちに代わって行ってくれるのが、メディア(放送、新聞、雑誌等)業界です。 とくに放送業界の影響は大きいと思うのです。 放送法第三条の二の第一項では、国内放送の放送番組の編集に当たって、4つの制約を設けています。■一 公安及び善良な風俗を害しないこと。■二 政治的に公平であること。■三 報道は事実をまげないですること。■四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度 から論点を明らかにすること。 第三号の真実の報道、そして第四号の意見対立時の論点については、重要だと思うのです。 尚、参考までに第二項には、放送事業者へ番組編成義務を課しています。■放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送の放送番組の編集に当たっては、特別な事業計画によるものを除くほか、教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない。 ようは、NHKも日本テレビもTBSもフジテレビもテレビ朝日も東京放送についても、教養番組、教育番組、報道番組、娯楽番組を放送しなくてはなりません。 さて、環境問題というキーワードでホームページを検索しますと沢山のページがヒットします。それこそ、地球をあげての環境問題といえます。 では、ここで質問です。■1 大気中のCO2濃度が問題になったトリガは何?■2 京都議定書が発動されたのは何年でしょうか?■3 地球誕生から現在までの大気中のCO2やその他のガスの 濃度の変化は、上昇中なのでしょうか?■4 ペットボトルのリサイクルを行うと資源7倍、ゴミ7倍に 増加するのを知っていました?■5 レジ袋の有料化よりも有効な方法があるのを知っていました?■6 北極の氷が溶けると海面が上昇する? ■1の回答です。「CO2を削減すれば温暖化を防げるのか」(槌田敦(高千穂大学)、日本物理学会誌 Vol.62, No.2, 2007)によりますと、--------------------------------------------------------- この騒動は,1960年にC.D.キーリングが南極での大気中のCO2濃度の精密測定により「CO2の基準レベルが上昇している」と報告したことで始まった。これは産業の放出するCO2の大半が大気中に溜まり続けた場合に推測されるペースとほぼ同じだった。 そして1963年にキーリングらは,民間の自然保護団体の会議に報告書を提出し,予想されるCO2量の倍増により気温が4度昇する可能性を示唆した.この化石燃料や石灰石などの使用により大気中のCO2濃度が増え,その結果気温が上昇するという通説をCO2温暖化説ということにする。---------------------------------------------------------- と、そのトリガ(発端)となったことを説明し、このリポートでは、人間の活動(化石燃料の消費等)とCO2濃度の関係は、相関がないようだ といっております。(大気中に溜まった人為的CO2はわずかであったとして、人為的排出で溜まるCO2の量は最大でも2年4ヶ月分でしかない。と断言しています。つまり、今年地球上で人類が排出したCO2は3年後には、海水に吸収されてしまう というのです。)(参考)CO2を削減すれば温暖化を防げるのかhttp://env01.cool.ne.jp/global_warming/report/tutida01.htm いま、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(著者 武田邦彦、出版社 洋泉社、発行年月 2007年3月)を読み終えました。 私の読書ライフでも珍しく、一気に読破しました。勿論、内容を理解しながら。 内容も平易でわかりやすく論理的に書かれていますから、中学生以上の方であれば、理解できる内容となっています。 ■の質問のうち、2~6については、著者が、この本の中で答えを述べています。ちょっと衝撃的でしょ。 地球が誕生し、現在まで平均気温は変動していると著者はいいます。そして、自然科学の分野の危機でもあるというのが伝わってきます。 大型コンピュータを利用し、世界循環モデルかどうか知らないがそれで大気の流れや濃度を予測する(シミュレーションする)という、一種の天気予報のようなデータが歩きだしているのです。 自然科学の分野ですと、こつこつと過去のデータ(観測データ)を積み上げ、推論し、帰納的に証明し、またデータと照らし合わせるということを続けていっております。それを飛び越えた何かしらの大きな力が動いているように思えてなりません。 私たちは、ペットボトルを「燃えるゴミ」としてゴミ集積所に出そうが、「リサイクルするプラスチィック」として出そうが、自分たちの手元からは消えてなくなります。 でも問題はその先なんですと著者はいいます。 ペットボトル販売量 ペットボトル回収量 再利用量 平成 5年 12万トン ほとんどなし なし 平成16年 51万トン 24万トン 3万トン 11年間でペットボトル販売量が、4倍に増加し、回収されたペットボトルで再利用していないものは、21万トン。よって、平成16年に廃棄処分されたものは、約50万トン。 何のことはありません。平成5年のペットボトルリサイクルが始まってから、ゴミが増加している(勿論、販売数も4倍増加)とのことです。勿論、リサイクルに使用する(ガソリン、電力、その他の)資源は考慮されていません。何かおかしくないですか。 かえってリサイクルすることにより、生産販売が増加している摩訶不思議な現象です。 このようなことは、マスコミは既に把握しているはずだ と著者はいいます。しかし、表立って報道しているマスコミは、聞いたことがありません。一種のタブーでしょうか。 マスコミの方々。もっと自然科学の専門家や地球物理の専門家に調査してほしいものです。ただ、決して学会には問い合わせしないほうがいいでしょう。学者の間でも、「日本における既成の学会組織がCO2地球温暖化仮説を否定するような論文を権威によって握りつぶすという異常事態がその一因」という声がありますので。 もう一つ。2003年のプラスチィックの生産量と回収量のデータに基づいて、著者はいいます。■樹脂生産 1400万トン ■その他の用途(工業生産等) 970万トン ■容器包装プラスチィック 430万トン ■焼却・埋め立て 390万トン ■自治体資源ゴミ収集 40万トン ■焼却・残渣 約32万トン ■材料リサイクル 約4万トン つまり、国民がセッセと汗を流して回収に協力し、材料としてリサイクルされるのが、約4万トン。生産される容器包装プラの約1%、樹脂生産量の0.3%弱と、たかだかこんなものしかないといいます。 リサイクルをすると、生産量が増加していて、また回収にもエネルギー(電気、ガソリン、労力等)を必要とするので、かえって割高になってしまうと著者はいいます。 それよりも、リサイクルはやめたほうが、トータルでみると、効率がいい というのです。 だから、ペットボトルのリサイクルを行うと資源7倍、ゴミ7倍に増加する という結果になってしまうと著者はいいます。撞着なことです。 さて、話はもどりますが、京都議定書の問題です。 CO2による地球の温暖化。どの程度危険なのでしょうか。著者は、概略的に、地球誕生から現在までの平均気温を述べています。 地球誕生時の大気の温度 約2,000度 古生代(30億年後) 約35度 第一氷河時代(33.5億年~32.5億年後) 約22度 中生代(現在から2億年前) 約25度前後 現在(第二氷河時代の間氷期) 約15度 地球温暖化の問題となっている将来 約17度(約2度上昇) どうです、著者のいうように、地球の大気の平均気温というのは変動するものなのです。マクロ的にとらえれば。短期的に、温暖化になっても平均2度の上昇するくらいだから、心配する必要はないと言い切っています。 京都議定書を守っても温暖化は防止できないと喝破しています。アメリカは、京都議定書には調印をしたが、批准はしていません。アメリカも、この京都議定書の実効性や種種の問題を認識していたのではないでしょうか。 それとも、国防(兵器)産業から環境産業への変化を推進しているかもしれません。地球温暖化という点では、国民は贅沢な資金支出を容認しますから。 勿論、日本とても同じです。環境に名を借りた大規模な箱もの行政が、談合になった事例もあります。 身近なところでは、焼却施設でしょうか。これはダイオキシンとの問題も含みますが、小さな焼却炉ではダイオキシンが発生するので、大きな焼却炉が必要ということで、全国各地で大規模焼却炉が建設されてきました。業界からいうと、環境ビジネスということでしょうか。 ダイオキシンについては、著者は平成13年(2001年)の学士会報という雑誌に、当時、東京大学の医学部教授だった和田功先生が「ダイオキシンはヒトの猛毒で最強の発癌物質か」という論文をみて、驚愕したといっております。 和田先生は、「ダイオキシンが人に対して毒性を持つということははっきりしていない、おそらくはそれほど強い発癌性を持っているとも思われないし、また、急性毒性という点では、非常に弱いものではないか」という主旨を述べているということです。 そして、著者が調べた限りでも、ダイオキシンの毒性についてはえられなかったということです。そして、和田先生は「ダイオキシン騒動というものはつくられたものであって、社会がダイオキシンの幻想をつくりあげる時に、我々専門家があまり力をもっていなかったことを証明した。科学の敗北である。」と述べたそうです。 そして、ダイオキシン騒動については、焼却炉が問題ではなくそれよりはるか前に、農薬として田に使用していたことが問題を広めたといっております。 これらの問題を含め、いま一度、自らの考えで検証していきたいと考えます。そのためには、マスコミの協力が必要です。 どうか、真実の報道と、一つの意見に流されることなく、もう一つの意見も同時に流してほしいと思うのです。 判断は、マスコミが行うのではなく、私たちが判断したいのです。(7月9日)環境問題はなぜウソがまかり通るのか著者:武田邦彦出版社:洋泉社