テーマ:今日のコーヒー(5169)
カテゴリ:さかもとこーひー、5つのこだわり
プロのつぶやき698「20周年記念・さかもとこーひー5つのこだわり(1)コーヒーはフルーツだ!」 まだ七夕前なのに、千葉は昨日梅雨明けになったそうです。今朝起きたら、ピーカンで真っ青な「夏の空」が広がっていました。20年前のさかもとこーひー開店前に近所にポスティングしてまわった時の猛烈な暑さを思い出しました。 昨日は、市内の自治会館に呼んで頂き「こーひーレッスン」をしてきました。先週は幼稚園ママの「こーひーレッスン」が2回あって…ふだん夏にはめったに呼ばれないんですが…今年は夏になっても「こーひーレッスン」が続いて、嬉しいことです。 昨日の自治会館は去年も同じ時期に呼んで頂いて、2年続けての「こーひーレッスン」になりました。小中学校の場合は役員さんがお友達だったりして、数年してから同じ学校から呼んで頂くことがあったり…常連さんのお宅で何度も呼んで頂く事があります。 学校ですと、参加メンバーが変わりますが…常連さんのお宅ですと、同じ方に何度も同じお話しをするのは芸が無いので…お菓子やパンを用意していただいて、それに合ったこーひーを用意して、フードペアリングを楽しむって感じの内容にすることもあります。まぁ、そのほうが普段の忙しさを忘れて、ちょっとした楽しいひとときになってご好評です。 そんなこんなで…開店以来20年続けて来た「こーひーレッスン」ですが…最初にお話しするテーマが2つあります。「丁寧な暮らし」と「コーヒーはフルーツだ!」です。 「丁寧な暮らし」は、インスタントやペットボトルに缶コーヒーも良いですが、お湯を沸かして、豆を挽いて、こーひーを淹れて…ひとりで、ふたりで、家族と、お友達と…ゆっくりお茶をするひととき、そんな暮らしに豊かさを感じるといったことです。 「コーヒーはフルーツだ!」は、粉だったり、真空パックや缶入りだったりしてあまり農産物とか生鮮食品といったイメージが無いコーヒーですが…花が咲き、実が成って熟していくフルーツの魅力がいっぱいなんですって話しです。 で、さかもとこーひー20周年を記念し…今週からこのプロのつぶやきであらためて「さかもとこーひー5つのこだわり」をもう少し詳しくお話ししたいと思います。さかもとこーひーの基本ですね。 1.「コーヒーはフルーツだ!」 2.「焙煎は素材とお客様をイメージして」 3.「豆を挽いて、カフェプレスで淹れる」 4.さかもとこーひーの四季 5.丁寧な暮らし この5つになりますが…第1回は「コーヒーはフルーツだ!」です。 僕は最初の修行先がフルーツパーラーで、次が紅茶専門店、そして31年前の独立は紅茶の店テ・カーマリーでした。その後コーヒー豆の店さかもとこーひーで再スタートしたんです。 で、フルーツにしても、紅茶にしても農産物としての魅力が基本にありました。しかし、自家焙煎店になってから、当時の素材では農産物としてのコーヒーを意識することが無くなったんです。深煎り、浅煎りといった感じで苦味の魅力が中心になっていました。欠点豆をハンドピックしていましたから、それなりに少しは農産物を意識しましたが、農産物なので欠点豆があるので、それを選別している、そんな感じでした。フルーツや紅茶の比べて、香りや味わいの広がりや奥行きといったコーヒーの魅力に限界を感じていました。 さらに、美味しい淹れ方を工夫し、伝えていました。嫌な苦味やエグ味、不快な酸味を避けて、新鮮なコーヒーを使い、上手に円やかに淹れる方法ですね。粗挽きにしたり、お湯の温度をコントロールしたり、ドリップのコツやポイントも伝えていました。 そして、2000年になる直前にスペシャルティコーヒーに出会います。その時の興奮は忘れられません。 「コーヒーはフルーツ」で、農産物ですから…豊かな土壌があって…太陽・風・雨等の恵みを受け…優秀な生産者の栽培によって健康に育てられた木から花が咲き、実が熟していきます。 良く熟したフルーツがとっても香り良く甘く爽やかで美味しいのと一緒で…完熟した実ばかり集めたコーヒーは雑味の無いきれいな味わいで、香り良く、爽やかな甘さいっぱいです。(勿論、それは素材の話しで…調理としての焙煎が的確でなければ台無しですが…。) ここに辿り着いた時に、この仕事で一生楽しめると思いニヤニヤしました。あれから13年程経ちましたが…優秀な生産者が増えて、素材の魅力がどんどん多様になってきました。 素材のポテンシャルや魅力を見極め…焙煎スキルを磨き…その魅力をお客様に喜んでもらえるように焙煎したり、ブレンドする毎日です。 農産物としての完熟したフルーツの様々な魅力をこーひーとして仕上げます。柑橘系だったり、ベリー系だったり、トロピカル系だったり、りんごのようだったり、フローラルだったり…香りに甘さや酸味の個性や質も色々ですし、焙煎による魅力も加わっていきます。深煎りにしても、たんに苦い味わいでなく、苦味が円やかだったり、繊細だったり、華やかだったりと可能性が広がります。 もっと、チョコレートのようだったり、ワインのようだったり、スパイシーだったり…味わいも爽やかだったり、円やかだったり、クリーミーだったり、繊細だったり…ほんと多様性いっぱいで飽きる事がありません。 しかし、素材のポテンシャルが高まれば高まる程、焙煎次第で凡庸な魅力にしかならないこともありますし、その魅力を見極められなければたんなる飲みやすい味わいにしかならないこともあります。 さらに、焙煎スキルが低ければ、せっかくの素晴らしい素材が重い味わいや焦げた味わいで台無しになってしまいます。 「スペシャルティコーヒーはクラフト」…スペシャルティコーヒーに出会った時に教わり、激しく共感した言葉です。職人としての一生を目指していましたから「スペシャルティコーヒーはクラフト」が宝になりました。素材を見極め…お客様のお好みを見つめ…焙煎し、ブレンドします。 次回は…2.「焙煎は素材とお客様をイメージして」についてお話ししたいと思います。 「この味を知ることができて幸せです。」…お客様にそう言ってもらえるようなこーひーをお届けしたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.07.07 22:49:04
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