2021/02/28(日)09:16
プロのつぶやき1096「春に2つの新しいエスプレッソブレンド」
プロのつぶやき1096「春に2つの新しいエスプレッソブレンド」
2月が終わって、3月春のおとずれが近づいてきました、おゆみ野の木蓮のつぼみが膨らんでいます。仕事始める6時半に明るいと朝から集中が高まります。今朝は0℃で久々に冷え込みましたが、真冬の0℃とは気分が違いますね、花粉はつらいですけどね。昨日今日は新しく開店する自家焙煎店の焙煎のサポートしています。1年以上前から相談に見えて・・・色々とアドバイスしたり・・・まぁやらないように繰り返すんですが・・・それでもどうしてもということでサポートすることになりました。プロバットの5kg焙煎機が設置されて、排気火力温度進行と1回1回カッピングしながら調整していきます。あちこちの地域で街のコーヒービーンズショップが増えることは、さかもとこーひーのホームタウンこーひーにも通じますのでやりがいがあります。チェーン店の良さもありますが、街に必要とされる個人店があるのも良いものですので。先日「卒業」が録画してあったので何十年ぶりかに観ました、DVD持ってるんですけどね。10代20代に何回観たか分からないほど好きな映画でした。1967年のダスティホフマン、キャサリンロス、アンバンクロフトでしたが・・・観たのは1970年頃でしたか・・・あれから50年65になって観ると・・・単なる不倫とストーカーの映画に見えて我ながら驚きました、若い青い気持ちはどこかに落としてしまったようです(笑)可愛かったキャサリンロスが幼く見えて、40過ぎのアンバンクロフトの美しさに惹かれました。そんなこんなで・・・主題歌を歌って大ヒットしたサイモン&ガーファンクルを聴きながら焙煎のサポートに向かったんですが・・・その頃からシンガーソングライターが日本でも活躍してきました。それまではプロの作曲家作詞家が作った曲を歌手が歌うという構図だったのを・・・自分で曲作って、自分で歌う形ですね・・・そしてその後シンガーソングライターが曲を提供もするようになって今に続いています。シンガーソングライターは自分の歌えるような歌を作曲作詞することが多く・・・職業作家は依頼されて、その歌手にあった歌を作曲作詞するわけです。自家焙煎店はシンガーソングライター的で・・・自分の好みのコーヒーを自分で焙煎やブレンドしてお客様に提供する・・・大きなロースターの会社は卸先に向けて焙煎、ブレンドするわけです。さかもとこーひーは自家焙煎店ですので・・・自分と常連さんの好みにあったこーひーをお届けしていますが・・・最近はカフェやレストランへの卸が増えていますので・・・そのカフェやレストランにあった、シェフやバリスタ、そしてそれぞれのお店のお客様にあった味わいをお届けするわけです。特にエスプレッソをメインいしているカフェだとそれぞれ違ったブレンドを作っています。さかもとこーひーのエスプレッソブレンドはとりあえず6種類ありますが、そこからさらにお店向けにブレンドするわけです。このひと月でも2つの新しいエスプレッソブレンドを作りました。おゆみ野のグラフトンさんと、津田沼のブラウンサウンドさんです。グラフトンさんはそれまでの専用のエスプレッソブレンドをもうすこしやさし円くしたいともことでした。ゆっくりとイメージを聞くと・・・今までのようにナッティ、チョコレート感はそのままに、ボールド感を減らして、少し優しくて円く・・・ボールド感は太くとかしっかりとか力強くとかコーヒーのカッピングでも使う表現です。ご夫妻が長くオーストラリアにいてレストランやカフェで働いていたので・・・その感性が生かしてのオリジナルエスプレッソブレンドでしたが・・・グラフトンさんの常連さんのお好みを感じながら・・・エンジンをかけるエスプレッソではなくて、グラフトンの空間をリラックスして、よりゆっくりと楽しんでもらうラテやカプチーノ、ロングブラックになればいいなぁーとのお話しでした。勿論、ベースにあるボディ感は生かしました。そして、同じ頃に津田沼のブラウンサウンドさんから春夏のエスプレッソブレンドのお話がありました。秋冬のイメージは・・・ほっくりマロン、赤ワイン煮詰めて、黒っぽいベリーとのお題でした。そして春夏のイメージは・・・柑橘系、爽やか系、ごくごく味わえるとのお題でした。毎回キーワードを3つ4つもらって・・・そこにブラウンサウンドさんの常連さんの雰囲気やバリスタの皆さんのお好みを加えてブレンドしています。柑橘系のエスプレッソだとグアテマラを使いやすいのですが・・・今回はグアテマラを使わないことをポイントにしました。グアテマラのフローラルやハニーライクさを使わずに柑橘系や爽やか系のエスプレッソやラテに仕上がる・・・楽しい仕事です。そして、最後にサンクオピエさんの20周年記念コース用ブレンドもきました。デザートは・・・ヴァローナカライブのムース・ショコラ、イラン産グリーンピスタチオのアイスクリーム、アーモンドのフロランタンの3つです。いつも3つのデザートなんですが・・・色々なフルーツとチョコ系ナッツ系の組み合わせが多いです、今回はなんとナッツ系できました。フルーツやチョコ、ナッツとあるとキャラの違った3つに一つのこーひーでどう合わせるかが腕の見せ所なんです。しかし、今回はチョコはあるものの3つともナッツ系・・・それなら簡単にはなりません(笑)ヴァローナカライブはローストナッツのキャラで、そこにグリーンピスタチオのアイスクリームとアーモンドのフロランタン。チョコとローストナッツと、グリーンピスタチオとアイスクリーム、アーモンドとフロランタン。チョコレート感、ロースト感に3つのナッツを引き立てるこーひーです。それぞれのナッツ系をどう引き立てるか?イメージしたのは・・・カラメルやバニラのキャラが魅力的なスコッチやバーボンをチョコやピスタチオをつまみに味わう感じになったらいいかなぁーと・・・アーモンドの上品さとフロランタンの触感がアクセントになって・・・静かに酔っていく・・・。3つとも、自分で味わうときが楽しみです。さかもとこーひーは「部屋中にひろがる香りと後味の美味しさ」を大切にしています。