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テーマ:最近観た映画。(40614)
カテゴリ:映画・DVD
映画屍人荘の殺人を観て来ました。
原作のある作品は再現度やアレンジなどでいつもヒヤヒヤするものですが、本作はいかに? ![]() 【あらすじ】 神紅大学ミステリー愛好会のメンバー葉村譲(はむら ゆずる)は先輩の明智恭介(あけち きょうすけ)とともに学内で起こった事件を解決したりしなかったりする「ホームズ」と「ワトソン」です。 個性の強い明智に振り回されていたある日、剣崎比留子(けんざき ひるこ)という女性からロックフェス研究会の合宿に誘いを受けます。 この合宿は部員あてに脅迫状が届いており、さらに去年参加した女子部員が行方不明になっているとのこと。 比留子は鋭い推理力を持ち警察の捜査に協力したこともあるという、明智たちにとってはライバルのような存在です。 しかし合宿にまつわる謎に惹かれ、葉村たちは参加を決めます。 そして彼らは思いもよらないことが原因でペンション「紫湛荘」への立てこもりを余儀なくされます。 さらにそこで惨殺死体が発見されます。 葉村たちは無事に生き延びることができるのでしょうか? 【名乗りは高らかに】 読書好きの良くない所と申しましょうか、原作至上主義みたいな所、ありませんでしょうか? 本作も原作が面白かっただけに、映画版はどうかな~みたいにちょっと構えていたわけですよ。 公式ホームページを見ると「大胆なアレンジの数々に挑む」とありまして、こういう謳い文句を使うのは大抵アレな作品なんだよな~とさらに不安になりながらも観に行ったのです。 見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを! とか言いながら観に行きましたが、予想を超えて面白い作品でした。 映画という視覚に訴えるメディアの特徴を活かし、原作の風味を損なうことなく作品化していると思いました。 脚本は「TRICK」や「金田一少年の事件簿」を手掛けた蒔田光治氏とのこと。 確かにTRICKと金田一をミックスしてみているような雰囲気を感じました。 ちょいちょい入ってくる、くどくて微妙にクセになる演出はまさにTRICKでしたね。 【事件解決は雲竜型】 そして、ちょっとクセのある演出にしっかりついてきた俳優陣の演技が素晴らしかったです。 葉村君の、個性の強い面々に挟まれて右往左往する所がかなりイメージどおりでした。 明智さんは出番こそ少ないものの随所で見せるインパクトの強さ。 しばらくの間物を出す時ピッと高く上げたり、事あるごとに名乗ってしまいそう(笑)。 サブキャラの人たちも各持ち場をしっかりとこなし、作品を盛り上げていました。 個人的にはふせえりさんの随所でみせるおばちゃんぷりが花を添えていたと思います。 そして比留子さんをよくやってくれました。 彼女は半端な実写化だとミステリアスなだけの美女になりがちだと思います。 ですが比留子さんの所々天然(?)な所や隙のある所とか、割と親しみやすい面もしっかりと演出されていて良かったです。口呼吸で寝てるし。 むしろキャラの濃さをいっそう煮しめた感じでした。ああいう変顔しそうだし(笑)。 そのうえ少し時代がかったしゃべり方も見事に再現されていて、ファンとしては嬉しい限りです。 でもなんで雲竜型なんだ(笑)? 【発言は起立で】 映画では特にそうだと思うのですが、脚本の良し悪しが面白さを決めるように思います。 平均的な映画が約2時間です。これに収まるように、残すものとカットするものの選別が重要なのでしょう。 作中で被害者の遺留品を漁るシーンがあります。 原作だと葉村君にとっては抵抗のある行為なのですが、この辺はカットです。 また、殺された立浪には彼なりの過去と苦しみがあったのですが、この辺も大胆にカット。 ゾンビマスターこと重元によるもろもろの談義もなし。 これらの要素も作品に奥行きを出す大事なパーツなのですが、全てを入れると時間が3時間以上になってしまうでしょうし、観ている方もだれるでしょう。 詰め込みたい要素がある時、小説はある意味ページを増やせばいいのですが映画はそうもいかない部分もあると思います。 こうした取捨選択が完成度を決めていくのではと感じました。 原作がある作品の映画化というと感想が分かれる部分もあるかと思いますが、本作は原作のテイストをよく反映した良作だと思います。 みなさんもぜひ映画館に足を運んでみてください。 公式ホームページはこちら。 ![]() 【映画パンフレット】 『屍人荘の殺人』 出演:神木隆之介.浜辺美波.中村倫也 パンフレットです。 ![]() 屍人荘の殺人 / 今村昌弘 【本】 原作です。 紹介記事はこちら。 よかったらクリックお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.01.01 20:28:29
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