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仮面社畜のススメのご紹介です。
![]() 【中古】 仮面社畜のススメ 会社と上司を有効利用するための42の方法 /小玉歩【著】 【中古】afb 社畜という言葉が市民権を得て久しいですね。 今の会社はもううんざりで辞めたいと思うけど、お金は無いし辞めたところで転職する度胸も能力も無いし…… そう思っている人は多いのではないでしょうか。 本書はそうした人たちに向けて、社畜を装いながら徹底的に会社を利用し尽くす「仮面社畜」になれと勧めています。 【引き込まれるまえがき】 本書ではまえがきで、世の中には利用する人とされる人の2種類しかいないと述べています。 そしてほとんどの人が利用される人になっているとも言っています。 現在の日本教育では、自分の意見を言わず利用される人になることをひたすら教えているからです。 では、利用する人になるにはどうしたら良いか? それに必要なのは能力ではなく、マインドの持ち方だと述べています。 【pick up】 本書では利用する人の視点で物事を見ることについて、42の方法を紹介しています。 その中で心に残ったものをいくつかご紹介します。 社畜は、その他大勢のコモディ社員となる。仮面社畜は、社内に敵も味方も大勢できる。 よく「経営者の視点を持つ」ということが言われます。 社長業務は多岐にわたるので全てを理解する必要はないのですが、今やっていることが自分の会社でのビジネスだったら? という意識を持つことが重要だと述べています。 現代はたとえ大企業であっても将来のかじ取りは難しい状態です。 賢い経営者であれば、指示に従うだけで自分の意見を言わない社員よりも、一時衝突することがあっても意見をしっかりと言える社員の方が有益だということを理解しています。 知識が足りなかったりして的外れな意見になってしまうこともあるかと思います。 ですが自分の意見をきちんと持って発信できることが、社内で確固たるポジションを築くために有効であると言えます。 社畜は、ネット依存を非難する。仮面社畜は、ネットを徹底的に使う。 ネットにのめり込むことをネット依存と呼び、非難する向きがあります。 ですが今の時代、ネットを使わなければあらゆる可能性が限定されてしまいます。 ネットを使えば、以前は手に入らなかったような量・質の情報が得られます。 それだけではなく普通に暮らしていては出会えなかった友人やビジネスパートナーに巡り合うチャンスもあります。 さらには副業により収入が上がる可能性だってあります。 ただしネットには質の高低を問わず、膨大な情報が溢れています。 その情報の中から、いかに自分に必要な情報を取捨選択する技術は必要となります。 いまやネットは生活の一部となっています。 好む好まずに関わらず、時代の変化に適応していくことがよりよく生きて行くために必要ですね。 社畜は、遅くまで残業をして働いた気分に浸る。仮面社畜は、定時に帰る。 多くの会社で人員削減の嵐が吹き荒れ、サービス残業が増えていると言われています。 ですが、基本的には就業時間が終われば社員は帰っていいのです。 残業が常態化しているのであれば、まずは定時で仕事が終わるような効率化を模索する必要があります。 報告書や日報書き等に時間を費やしすぎていないか? 「いい人」になってしまって自分がやらなくていい仕事まで抱え込んでいないか? そうしたことをチェックして、効率よく仕事を進めて行く努力は必要でしょう。 残業が常態化している社員にもいくつかパターンがあります。 効率が悪くて仕事が終わらないならまだかわいいものですが、家に帰ってもやることが無いので漫然と残っている社員もいます。 さらにひどいのになると、残業代目当てで日常業務を引き延ばしている社員までいます。 そうした人に限って退勤後も同僚と飲みに行ってダラダラ過ごし「こんなに働いてるのにな~」と会社の不満や悪口を言い始めるのです。 周りが残業していると帰りにくいのは事実です。 ですが無駄な残業が続いてしまうのはやりたいことが何もないということ。 一度自分の仕事を振り返ってみるのも良いでしょうね。 社畜は、毎月コツコツと積み立て貯金をする。仮面社畜は、お金ではなく経験を貯える。 毎月貯金している人は多いと思います。 例えば月3万円貯金しているとして、年36万円です。 安い額ではありませんが、いざという時(企業したり自己投資する時)にはまるで足りません。 若い頃はまだ家庭も持っていませんし、まだそれほどお金が必要ではありません。 その時期に無理して少額を貯めるのならば、いっそ様々な経験をすることにお金を使い、将来の仕事や人生に活かした方が良い、とのことです。 これについては色々意見が分かれるところかと思います。 一理ありますが、そうかといってこれをそのままやると生活が破綻する人もいるでしょう。 頭の隅に置きつつも、自分に合ったさじ加減が必要ですね。 【きれいに着地したあとがき】 この本を読むのは正直大変でした。 ページのそこかしこから漏れ出る「オレはお前らとは違うんだぜ」と言う気配がとても鼻について不快でした。 こんなもん読み終わったらすぐにうっぱらってやるぜと思いながら読んでいたのですが、あとがきがとてもきれいにまとまっていました。 「もしかしたら、本書を読み進めていくうちに項目によっては拒否反応が起こるほどに納得できないこともあったかもしれません。 しかし、この拒否反応が起こる瞬間こそが一番大事な瞬間です。 なぜなら、そのときが自分の常識外の常識に触れているからです」 とあります。 また、重要なのは「そのような常識が存在している」ということを知ることなのだとも言っています。 なるほど、全てを納得するのは難しい内容でしたが、こうした考え方もあるというのを知ることができたのは有意義だったと感じました。 あとがきにもありますが、社畜という言葉をウィキペディアで調べると 「主に日本で、勤めている会社に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化したサラリーマンの状態を揶揄したものである」とあります。 少し前ならこうした言われたことだけをやっている部品のような社員で事足りたし、管理する方も楽だったのでしょう。 しかし大企業ですら生き残るのに必死なこの時代、替えのきくパーツのような社員ばかりでは不十分になってきたのでしょう。 仮面社畜は文句を言われない程度に成果を上げつつ自分の時間や生活も充実させようとするため、効率化することが必要になって来ます。 皮肉なことに、今後はこうした自分で考えて行動できる社員の必要性がどんどん増してくるように思います。 実際のところ、現状に不満はあるけど今の会社を辞めたり独立するのは難しい。そんな人が大半であると思います。 であるならば社畜に擬態して生きる「仮面社畜」という生存戦略は現実的な落としどころであるように感じます。 本書を通じて、どっぷりと社畜化してしまっている常識を一度揺さぶってみるのも良いのではないでしょうか。 よかったらクリックお願いします。 にほんブログ村 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.01.23 20:00:06
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