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カテゴリ:アート
栃木県足利市立美術館の企画展、相田みつを展を観て来ました。
「にんげんだもの」で有名な相田みつをですが、今年で生誕100年を記念した企画展です。 【唯一無二の芸術性】 相田みつをは当初書家を目指していました。 それと並んでろうけつ染めを習得し、地元足利の店などに書やろうけつ染めを提供していました。 やがて独特な書体でシンプルな詩を描くという、他に例を見ない作風にたどり着きました。 相田さんと懇意にしていた麺処なか川や、和菓子店香雲堂など、足利の店では相田さんのデザインしたものが今でも使われています。 飽きの来ないデザインが愛される理由なのかなと思いました。 撮影可能なスペースがありました。 古印最中で有名な香雲堂の包装紙のデザインもありました。 【複雑な内面を伺える企画展】 本展では多くの作品に対して、息子である相田一人さんのコメントが添えられています。 間近でみつをさんを見ていた息子ならではのコメントが興味深かったです。 相田みつをというとシンプルな言葉による作品が多い印象がありますが、その内面はとても複雑だったと語っていました。 ひらがなで書かれた作品が多いですが、カタカナや漢字を随所に使うことにより作品にメリハリやリズムが生まれるように意識していたようです。 相田さんは天衣無縫な作風だと思っていたのですが、実際は綿密に考えられていたのですね。 【穏やかに真理を突く作品】 相田さんは在家であるものの仏教に帰依していたそうです。 それもあるのか、相田さんの詩には穏やかな言葉でありながら世の真理を突いた言葉が多いように思います。 一人さんのコメントによると、鑑賞者が本展で一つだけ心に残すとしたら「うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころがうつくしい」という詩を残して欲しいとありました。 これは詩の言葉通りの意味もあるのですが、美しいものがわかる心を持つというのは、逆に犯罪や戦争など美しくないものを感じ取る心を持っているということなのだそうです。 第三者の考察ではなく、作者の思いに直接触れられたのが良かったです。 個人的には「ただ」という作品 「花には人間のようなかけひきがないからいい ただ咲いて ただ散ってゆくからいい ただになれない人間のわたし」 が好きです。 生誕100年を記念するだけあって、有名な作品だけでなく書家としての作品や初期の作品など、幅広い作品を大ボリュームで味わえる企画展になっています。 息子さんのコメントもみつをさんの息吹を感じられて良かったです。 よかったらクリックお願いします。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年08月11日 20時00分07秒
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