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カテゴリ:マンガ
かつて神だった獣たちへのご紹介です。
![]() 送料無料【中古】かつて神だった獣たちへ 1〜15巻 漫画 全巻セット 週マガKC めいびい 講談社(少年コミック) ※本記事はネタバレを含みます。 【あらすじ】 パトリア大陸は北部パトリアユニオンと南部パトリア連合に分かれ、10年にわたる内戦が起こっていました。 劣勢になった北部は人を怪物に変えた「擬神兵(ぎしんへい)」を投入し、両勢力は痛み分けの停戦となりました。 人々は擬神兵を神や英雄と称えましたが、その異形と力に恐怖を覚えるようになりました。 そして擬神兵たちも強大すぎる力に心を蝕まれ、心身ともに怪物となっていきました。 そんな「獣」となってしまった擬神兵を狩る青年がいました。 彼の名はハンク。かつて擬神兵部隊の隊長でした。 「人の心を無くした者は仲間の手で葬る」。隊の取り決めを守るため、彼はかつての部下たちを狩っていました。 ハンクとともに旅をする少女シャールは、擬神兵であった父親をハンクに殺された過去がありました。 父の死の意味や擬神兵の意義を知るため、シャールは父の仇であるハンクに同行する道を選びました。 旅の先に彼女の見届けたものは? 【命の群像劇】 本作はハンクとシャールが主役ではありますが、多くの人物や出来事が描かれていて、様々な解釈のできる群像劇であると思います。 擬神兵は内戦を終わらせた英雄と称えられましたが、やがて人々から疎まれていくようになりました。 皮肉なことに、平和な世界には擬神兵の居場所はありませんでした。 擬神兵という形でありますが、戦争帰還兵の苦しみを表現しているように思います。 また擬神兵をもてはやしておきながら都合が悪くなると悪者扱いする民衆や、自らは銃弾にさらされない所から利益や効率で戦争を考える富裕階層等に対する強烈な皮肉も込められているように感じました。 擬神兵を生み出した科学者エレインの遺志を継ぎ、擬神兵をこの世から消そうとするハンク。 「生きたいように生きろ」と擬神兵を解放・代弁した宿敵ケイン。 主要人物以外にも各キャラクターや擬神兵たちそれぞれの想いや生き様が描かれています。 様々な価値観が出てくるのが読みごたえがありました。 そしてヒロインのシャールの「すべてを見届ける」という覚悟も良かったと思います。 彼女は擬神兵となった父を殺され、さらに復活した父を自らの手で撃っています。 シャールもまた当事者であるからこそ、ともすれば傍観するだけになってしまう「見届ける」という行為に重みが出るのではないでしょうか。 何だかんだで最後がんばってたし。あと彼女の品のあるファッションは好きです。 印象深かった擬神兵は「ミノタウロス」セオドアと「オーガ」プリシラです。 「セイレーン」ベアトリスと「ケンタウロス」マイルズの、狂った怪物になってしまった自分を無理して演じている姿が辛かったです。 悲壮な話が多い中自らの生き方を貫いた「サラマンダー」アントニオも印象深いですね。 【資料も充実】 単行本の巻末には軍の資料という設定で資料が載っています。 擬神兵はもちろん、各勢力や町の解説やパトリア大陸の地図なども載っています。 この資料のおかげで物語が分かりやすくなりました。 本作はいわゆるダークファンタジーと言われるジャンルです。 読んで気分爽快になるという作品ではありませんが、様々な生き様や価値観に触れることができて、解釈のしがいのある作品だと思います。 よかったらクリックお願いします。 にほんブログ村 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025年03月23日 20時00分12秒
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