ぼちぼちいくさ

2021/04/09(金)08:38

連城三紀彦を読む

コロナでいろんな制限があったこの一年、よく本を読んだ。ほとんどが推理小説・・とはもう言わへんねんねえ。最近はミステリーと言うらしい。海外ものが多かったけど、国内のも割と読んだ。 私が好きなのは断然「本格もの」。意外な犯人やトリックがないとねえ。動機とか犯罪の裏にある社会の歪みとか政界の暗黒面を描く・・ってやつよりも、私はあくまで娯楽としての殺人、謎が好きだ。 さて、現在国内本格ミステリーを第一線で書いてらっしゃる方たちが、あとがきなどで口をそろえて礼賛してらっしゃるのが鮎川哲也と連城三紀彦(敬称略させていただきます)。どちらの作品も読んだことは無く、特に連城三紀彦って推理小説作家?恋愛小説書いてたんちゃうの・・?という印象だった。 それで去年、まず連城三紀彦を読んでみた。おもしろかった。確かに推理小説だった。ただ・・・暗い・・。暗いというか、ものすごく哀しい(この字が本当にぴったり!)。登場人物が哀れで、沢山は読めない。読めば読むほどこちらも哀しくなってずどーんと落ち込んでしまう。 それでもう読むのはやめたんだけど、独特の世界があって、しびれるといえばしびれる。赤川次郎さんのデビュー作(だったかな?違うかも)を下敷きにした作品があったんだけど、すごいと思った。赤川次郎だよ、赤川次郎!あの明るい感じの作品が見事にずどーんと哀しい連城三紀彦の世界に変わってた。 文体は純文学。読んでて、なんか、こう、文章が高尚っておもった。いえあの一般のミステリー作家の文章が悪いっていうんじゃなくて、なんていうか、う~ん・・エンターテイメントと違うって感じだった。 こんな人がいたんだって感じだった。

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