Burning Red

2006/07/21(金)18:32

せんせいになれません(バンブーコミックス)/小坂俊史

感想(4コマ漫画)(25)

タイトルは「なれません」ですけど、一応、主人公達はれっきとした先生です。ただし、その職務態度に関しては―――ま、オビにでかでかと書いてある「こども脇役! 俺たち主役!!」&「おまえらー、俺たち(教師、とルビが振ってあります)に甘えてんじゃねー!」で大体分かると思いますが、本当にそんな感じの漫画です。 主役コンビの片割れ、河田は遅刻&サボリの常習犯で、その相棒(…下僕とかでも間違ってないような気が)の池田は借金王のヘタレ男、その他にもまじめな授業をまったく行わない家庭科教師だとか、医療知識皆無の保険医だとか、名誉欲に突き動かされる校長だとか―――マトモな教師は、レギュラーキャラでは主人公たちのお目付け役のベテラン教師・藤田先生くらいなんじゃ?(読みきり時代は、もう一人マトモな先生がレギュラーだったんだけどね) もっとも、そんな彼らに相対する生徒の側にも一筋縄では行かないこども達が揃っているのはお約束なわけで、特に最近では数十人いる生徒キャラたちにもそれなりに個性の固まってきた感があって、単行本にオマケで収録されている彼らに関する資料も中々楽しいです。 特に第3巻に収録されている「クラス内人間関係図」なんかは、読んでいる側の小学生時代の思い出に照らし合わせてみると、あぁ確かにこういう子とこういう子は仲が悪かったなぁ…と、ノスタルジックな気分に浸れます。マセてる女の子と真面目な学級委員長タイプの仲が悪いのは、やっぱ世界共通だよね。 ただ、小坂氏がご自身でも触れているように、どんなときでもとにかく「全力」で、良くも悪くも裏表なしにこども達に接している河田&池田は、実はとてもよい先生だと思います。…だって、色々生臭い社会の縮図も垣間見せてくれてるし。 あと、この作品最強であり、ついでに最大の謎キャラでもある生徒の「桃山」の正体(&下の名前)に関しては―――やっぱ、追求しない方がいいのかな。こいつは第4巻収録の夏休みに至っては、サラ金(闇金?)の取立てのバイトまでして借金王の池田を土下座(?)に追い込んでるし。ちなみに自宅は公園の植え込みにある青いテント―――から通じてる謎の地下通路の奥で、足を踏み入れるには複数の合言葉が必要だそうで。…何者なんだろ、本当。

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