Burning Red

2006/08/14(月)19:04

猫丸先輩の空論(講談社ノベルス)/倉知淳

ミステリ(21)

日常の謎を(一応)解き明かす、猫丸先輩を探偵役としたシリーズ、講談社ノベルスでは2冊目ですね。 講談社で出ているこのシリーズは、唐沢なをき氏の挿絵が可愛くてお気に入りです。 ・「水のそとのなにか」 一人暮らしのイラストレーター宅のベランダに毎日繰り返し置かれる、水のつめられたペットボトルの謎…ということで、最初読んでいるときには(ネタバレ:水をレンズ代わりにしての放火)…かな、とも思ったんですが思いっきり猫丸先輩自身の手で否定されちゃいました…。 で、次に思ったのが(ネタバレ:イラストレーターに一目惚れした誰かが、姿を見たいがために、或いはおまじないか何かとして)かと思ったんですが…ま、そっちは微妙に掠ったような気もするんでそれでOKという事で。 ・「とむらい自動車」 タイトルの元ネタは「とむらい機関車」…かな? 謎解きとか云々以前に、激しく八木沼君が不憫になってしまった一編。 ・「子ねこを救え」 猫をこういう飼い方をするってのは、(ネタバレ?:ド近眼)の猫飼いとしてちょっとしっくりこないなあ。 でも、主人公の男の子とその相棒の女の子とのやり取りが可愛くてグッド。 っていうか、既にハタから見ればギャルゲーみたいだよ君たちは。 ・「な、なつのこ」 元ネタは「ななつのこ」なんだろうけど、凄い改変だ…。 冒頭いきなりの「すいか割りの公式ルール」に戸惑い、主人公の妄想スタンピードに笑い、柳下がけっこう自分的好みのキャラ造型であることに落ち込み、憧れの人の真相に涙し、「日本すいか割り協会」の実在に驚愕しました。 ・「魚か肉か食い物」 食べっぷりのいい女の子は結構可愛いと思う。…そんな感じで。 猫は食べないで欲しいけど。 ・「夜の猫丸」 んー、この場合は(ネタバレ:放火犯の在宅確認)よりは、(ネタバレ:ビル荒らし)のそれの方がしっくり来るんだけどなぁ…実際にそういう事件もあるらしいし。 八木沼君の運命や如何に!

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