Burning Red

2007/09/22(土)15:56

ガンダム・センチネル ALICEの懺悔(大日本絵画)/高橋昌也

ガンダムシリーズ(17)

……を、読みました。 えっと、なんと言えばいいのかよくわからないですけど、何なんですか?このお話って。ムサ苦しい男どもしか出てこないし、文章の大半はメカニックだの設定だのの描写だし―――なのに、なのに、なのにとてつもなく面白い!!し。 っていうかもう、ああいう装飾過多な文章はラヴやん御大で慣れてるし、軍事描写と専門用語の羅列にも福井晴敏で耐性は付いてるんだけど、それを差っぴいたとしても凄まじく常識外れにここまで面白いってのは一体何なんでせうか!? その上なんていうか、この「センチネル」ってのは元々は模型雑誌の企画で、メインはこの本には掲載されてない(同名のムック本の方に掲載されてるのかな?……これも探さなくては)、ガンプラの作例とか改造?らしいんですけど……なんていうか、もうこの小説だけでお腹いっぱいになれる程なんですが。(まぁ、ムック時に比べてかなりの加筆が施されているみたいなんですけどね) 結論としては、「メシ食いながら片手で読む」にはあまりにももったいない小説、と言ったところでしょうか。……いや、私がそうやって読んでたんだけど、もったいないオバケに祟り殺されそうで怖い。ここまで面白いなら、最初からしっかり本腰入れて読んだんだけどなぁ。 それにしても。 「00」がそろそろ放映開始だーっていう現在に至って、どうして二十代前半の一腐女子の私ってば「00」の主人公?4人?の名前も知らないまま、「センチネル」を一所懸命に読んでいるのかなぁ。とかちょっとビミョーな気分になったりしている訳なんですけど、その辺りは世間的にはどうなのかこうなのか。 んーと、とりあえずソッチ方面に関しては主人公の上官であるマニングスさんと敵組織の副首領?のクレイさんの関係(片方が土壇場まで相手の存在に気付けない、ってのはいいよね)は萌えたかなーってのと、主人公であるリョウの同期の桜ーであるクリプトさんの会話とかはかなり良かったんだけど……でもさ、クリプトさんのファースト・ネームがさぁ、よりによって「シン」なんだよねえ…… 「アスカ」なシンちゃんの姿が目に浮かんでしまうのは私だけかもしれないけど、知っているだけでも3人いるんだよね、「シン」って名前のガンダムキャラクターってばさ。……きっと凄く多い名前なんだね、うん。「アスカ」なシンちゃんも大好きなんだけどね、私はさ。でも、なんかこう……好きだからこそ、引っかかるのかなぁ。 「センチネル」に話を戻すと、お話のモティーフは幕末の戊辰戦争ということらしいんで、その辺りの知識がもちょっと豊富ならもっともっと楽しめたのかなぁと思うと残念でもあり、実際にそれを勉強してから読み返そうかなぁとか夢想してみれば楽しみでもあり。 小説としてもクセが強い(という評価が多い感じ……個人的には十分読みやすかったし、状況の把握もしやすかったんだけどね)し、視点の変化が激しいので一人の主人公にとことんまで没入するタイプの人には向かない種類なのも確か。 なので、万人にオススメ!!とは言いがたいけど、でも、とてもとても面白かったです。

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