淀風庵の酒詩歌日記

2008/05/06(火)10:34

食べ残しもったいない

物の見方考え方(64)

 またもや船場吉兆の本店料亭で、昨年11月の営業休止前まで食べ残しの料理を他の客に使い回していて、大阪市保健所の指導を受けたと報じられた。  それも20年前からとか、何万もの高額を払って悦に入っていた御仁の苦々しい顔が浮んでくる、とは某貧乏おじさんの感想。  厚生労働省によると、食品衛生法は、腐敗などで健康を損なう恐れがある食品の販売を禁じているが、食べ残しの使い回しを禁止する規定はない。同省監視安全課の担当者は「同法では、調理側が料理を使い回す事態をそもそも想定していないため、違法行為ではないが、不適切だ」との話。(asahi.com)  居酒屋など他の飲食店でも使い回しはかなり行なわれているのではないかとの疑念や経験を持つ消費者は多いと思う。そして、アルバイトなどで飲食店に勤めた店員でこのような状況を知っている人は多いのではないか。    だが、この飽食時代、余輩を含めて料理を残すことはざらにあり、ならば、店側は経費の節減をしようと気軽に使い回そうとするだろう。社会的にも資源やゴミの削減のメリットがあり、ともかく、赤福の場合に象徴されるように簡単に廃棄するのは「もったいない」ことなのである。  余輩も10年以上前に、東京、多摩センター駅前にあるデパートのレストランでランチを食したとき、肉料理の小鉢に入っているはずのない魚の骨が混じっており、店員に問うたら、料理長が出て来て詫びたことがあった。レジでお金は頂きませんと言ったが、食べてしまった手前、金は払って出た。  家人は先般の入院時に、患者が食べ残した料理が温め直して次の日にも出てくるような経験をしたと語っている。そのときの野菜の食感が柔らかくて変だったというのだ。他の患者も残している料理が多かったそうで、再利用すれば病院の手間や経費はかなり軽減されるはずだ。残すようなまずい料理をこれでもかと出す病院もおかしい。  残り物の料理は従業員や家族で食べてもらうのが今までの通例であるように思っていたが、このような使い回しが常態化しているのなら、残した料理を持ち帰って食べるか、ペットにやるのがいちばん適切だと思う。  でもまずい料理ほど食べ残され、使い回される悪循環を招くので、この場合、再利用させないように砕いて席を立つしかない。  かつて酒の残りを再加熱して使い回す不届きな呑み屋があったのを思い出すが、いずれにしろ、どうもスッキリしない悩ましい話です。

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