「怪しい日本語研究室」
お奨めの一冊、「怪しい日本語研究室」我々は日本人ですから、当然のことながら意識せずに日本語を使いますが、これを外国人の目から見たら、これほど"怪しい"言葉はないと著者は主張しています。カナダ生まれの日本語研究家イアン・アーシーさんが、我々ネイティブの日本人には気がつきにくい、愛すべき日本語の使い方をおもしろいほど痛快に指摘してくれています。【送料無料】怪しい日本語研究室 [ イアン・ア-シ- ]価格:1,470円(税込、送料込)その筆頭が、わざわざわかりにくい表現を使う役所の文書。・・・と言われても、皆さんは何のことなのかピンと来ますか?それでは具体的に見ていきましょう。この国を動かしていると自認している霞ヶ関の官僚が多用する言葉、それは「整備」と「主体」。「パソコンを買って来る」と言えばすむところを「パソコンの整備」と言うし、道端に木を植えることは「街路樹の整備」、「働き口を増やす」ことを「就業機会の整備」のごとく。さらに「人」などとあまりにも簡単な言葉は、けっして使わないのがお役人だとも。すなわち管理する人を「管理主体」。経営する人なら「経営主体」のごとく。なるほど、ここまで来れば何となくイアンさんのおっしゃっていることがおぼろげに分かってきますね。ではこれを踏まえて、実際の役所の文書に出てくるという次の例文を判読してみてください。イ)非自発的離職求職者ロ)各主体の自主的対応尊重ハ)人的資本の流動性拡大のため、環境整備を行うニ)平均的な勤労者の良質な住宅確保は困難な状況にあるホ)自然ふれあい型の余暇活動への志向が高まってきているう~む、こう書かれてしまうと霞ヶ関のお役人は難しい仕事をしているなと思ってしまいますよね。ところが、イアン流に翻訳すればこんなに簡単。だれにだって何のことなのかすぐ分かる。イ)クビになって仕事にあぶれている人ロ)みんな勝手にやればいいハ)転職しやすくするニ)普通のサラリーマンは家を買えないホ)外で遊びたい人が増えた極めつきが官僚の"整備文"を応用した政治家の国会答弁。「制度を整備した上で措置します」は、「少しあとでやります」または「しばらくやれません」(涙!日本人以上に日本語をよく知る怪しいガイジン、イアン・アーシーさんに「あっ晴れ!」拍手喝采を送ります。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**