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今読んでいる本。浅田次郎著 「蒼穹の昴④」。
かって宮中で神事を掌っていたという韃靼の老占い師・白太太(パイタイタイ)の予言。 「紫禁城の奥深くおわします帝のお側近くに仕え、やがて中華の財物のことごとくをその手にからめ取るであろう」と予言された街道の馬糞拾いを生業とする貧しい少年李春雲(リイチュンユン)。 その予言を信じ自らの手で浄身(チンシェン)し、宦官として後宮に入った春雲。時の絶対権力者老仏爺(ラオフオイエ・西太后)の目にとまるやとんとん拍子に出世を重ね、今や大総管太監(ダアツォンクヮン・タイチェン)として後宮に仕える宦官2000人の頂点に立つまでになった。 「汝は長じて殿に昇り、天子様のかたわらにあって天下の政を司ることになろう」 科挙の試験に最高の成績で合格し、都で高級官僚の道を歩んできた梁文秀(リアンウエンシュウ)は、ついに11代光緒帝の親政を目論む改革派の若手官僚の旗頭として立つことを決意する。老仏爺(ラオフオイエ・西太后)を廃し、この国を隣国日本がなしえた立憲君主制の国に変えようというのだ。 まさに白太太(パイタイタイ)の予言どおりの運命をたどるかのように思えた春雲と文秀であったが、後宮を中心とする守旧派の拠りどころ西太后に深く重用され若くして後宮を差配するまでになった春雲と、11代光緒帝の親政を目論む改革派に旗頭として担ぎ上げられた文秀は、互いに相容れない道を歩まなければならない定めとなってしまう。 光緒の28年(西暦1898年)西太后が紫禁城から離れ離宮へ移ることになり、一旦は成るかに見えた文秀らの若手改革派官僚による光緒帝の親政であったが、北洋軍閥の勇・袁世凱(ユアンシカイ)の裏切りによりわずか100日余りで、水泡と消える。 西太后を排しようとした謀反人の汚名を着せられ、旧主派の官憲に追われる身となった文秀。理想が潰えもはや生きる望みを失った文秀は、死を覚悟し縛につこうとするのであったが・・・。 その時大総管太監・李春雲がとった行動とは? 時代の激流は、李春雲と梁文秀を木の葉のように揺らす。 「媽媽(マアマア)!昴星在哪児(マオシンヅァイナアル)!」(ママ、昴はどこ) はたして昴の宿星は李春雲と梁文秀の上に輝き続けるのだろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年02月18日 11時30分04秒
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