カテゴリ:本
今読んでいる本。浅田次郎著「中原の虹①」。
「蒼穹の昴」、「珍妃の井戸」に続く、20世紀初めの中国を舞台とした歴史小説。 この物語も「蒼穹の昴」と同じく、あの韃靼の老占い師白太太(パイタイタイ)の予言から始まる。 「汝 満州の王者たれ。汝 東北の覇王たれかし」 汝は紫微宮の星座に護られている。虎のごとく野を駆ければ、出会う者はみなことごとく汝を畏れ崇め、服(まつろ)うであろうと予言された貧しき流民の子とは、張作霖(チャンヅオリン)。 そしてもう一人。その張作霖に浪人市場で一千元で買われたならず者、李春雷(リイチュンレイ)。 なんと「蒼穹の昴」の主人公で、このとき後宮の大総管太監(ダアツォンクヮン・タイチェン)にまで上りつめ、時の権力者西太后から厚い信頼を受く宦官・李春雲(リイチュンユン)の三兄だというのだ。 しかし春雷は、田舎に打ち捨てて来た春雲と妹はすでに飢え死にしたものと思い、春雲はゆくえ知れずとなって久しい春雷をやはりこの世にはいないものと思っていた。 舞台は清朝末期の中国東北部、満州と呼ばれた地。清朝の太祖愛新覚羅(アイシンギョロ)弩爾哈赤(ヌルハチ)の聖地でありながら、そこはすでに大清皇帝の威光も遠く及ばぬ地となってしまった。今その満州の地を支配するのは、ロシア軍でもなく日本軍でもなく、もちろん清の正規軍でもない。満州馬賊の総攬把(ツオンランパ)張作霖。そしていつもその先頭を駆けるのが一千元壮士(イーチェンユワンチョアンシ)と呼ばれ恐れられた李春雷。 末期(まつご)を迎えた巨竜のごとくのたうつ清朝を一人支える西太后。しかし、巨竜の終焉は誰の目にも明らかであった。 はたして張作霖は白太太(パイタイタイ)の予言のごとく満州の王者となるのであろうか?そして、春雷と春雲の行く末や如何に? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年03月03日 12時10分09秒
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