カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。本日阿辻先生が取り上げた漢字は、「虫」。 皆さん海に生息する8本足のタコ、漢字では「蛸」と書きますが、どうして虫でもないタコに「虫」ヘンがついているのか不思議に思われたことありませんか? 私なんぞは、昔中国ではタコも昆虫の仲間に序していたからだろうと思っていましたが・・・。 ところで、日本人なら「虫」という字を書けぬ人はいないでしょう。しかし、「蟲」という字もあることを知っている人は少ないのではないか?確かに私たちの世代でも学校で「蟲」という字は習いませんでしたね。 ・・・何だよ、「蟲」って。「虫」の複数形か、だなんて言ったりして。(笑! いま私たちが「むし」という意味で使う「虫」は、本来ヘビの「まむし」を意味する漢字で、もともとは「虫」は頭の大きな蛇の形をかたどった象形文字に由来すると阿辻先生は教えてくれています。音も「チュウ」でなく「キ」。 やがて「虫」は「まむし」ばかりでなく、さまざまな小動物も指して使われるようになったのに対して、「蟲」は「チュウ」と発音し、これこそ「むし」本来の意味を表した。 このように両者はもともと別の意味を表す漢字であったが、「蟲」の簡略形として「虫」が使われるようになり、やがて「虫」が「むし」を意味する正規の漢字となったと。かくしてそれから3000年後の日本では、「蟲」という漢字は学校でも教えることがなくなってしまった。これを無視(むし)というのでしょうな。(笑! さてそこで、冒頭のタコにもどりますが、「虫」と「蟲」の違いを理解すれば、「蛸」は、「蛤(ハマグリ)」や「蝦(エビ)」と同じように「蝮(まむし)」を「虫」と表したことに由来しているのだということがわかります。 さらに阿辻先生は、古代の中国人の想像力の豊かさを推し量ることができる「虫」のつく漢字「虹」をあげておられます。 虹は自然現象で動物ではないのに、どうして「虫」ヘンがついているのか? 古代中国では、「虹」は山から山にわたる大きな龍と考えられていたからという阿辻先生の指摘。何とも漢字の持つ奥深さ、スケールの大きさにはまったく言葉を失ってしまいます。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 10時45分57秒
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