カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。 今週阿辻先生が取り上げた漢字は、「入」でした。 「入口」の「入」、「入門」の「入」、わずか二画で書けてしまう簡単な漢字です。とてもこの漢字に深い意味もいわれもないような気がしますが、どっこい奥が深かった。 阿辻先生は、論語の子張編より、孔子の弟子の子貢(しこう)が孔子の人徳の高さを塀にたとえた逸話を紹介しています。 子貢の人徳は孔子以上だという人に、「自分の屋敷の塀の高さはせいぜい肩まで位だから、塀の外から中の様子が簡単にうかがえるが、先生(孔子)の屋敷ははるかに高い塀に囲まれているから、門から入らない限り中のすばらしさはわからない」と諭したということです。 すなわち、これが今日我われが使う「入門」ということばの由来であると。 さらに子貢は、「先生の屋敷は門がどこにあるのかわからないほどにとても広い。まず門を探すことからして難しいのだ」とダメを押しているのだとか。 うわぁ~、まず門がどこにあるか探すことから始めよですか・・・。 次にその孔子は、「堂に升りて室に入らず」ということばも残していて、これは「客間に上がれるほどにはなっているものの、まだ奥の間には入れるほどではない」、つまり奥義をきわめてはいないということを言ったものだと。 今日では学問や技術が一定の水準に達しているということを「升堂入室」というようになったということです。すなわち堂に升(のぼ)るほどであればかなりの水準には達している。奥義を知る目前までは来ているということなのでしょうか。 う~む、門を探して中に入れたとしても、広大な敷地を渡らなければ屋敷にたどり着かない。で屋敷の中に入れてもらえたとしても、堂までに長い廊下が待ち受けているというわけですか。 まずはこの門から入れと「遊遊漢字学」という大きな表札を掲げ、さらには門前まで姿を見せて手招きしてくださる阿辻先生には、いくら感謝しても感謝しきれぬ思いです。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 11時36分45秒
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