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2017.12.20
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カテゴリ:ギリシャ神話
前に書いた「悪魔のトリル」のレコードジャケットは、
下の「アポロンとダフネ」の絵でした。

ジョンバニ・バッティスタ・ティエプロ(1696-1770)
1755-60年、68.5x87cm、ワシントンのナショナルギャラリー

というわけで、今回は「アポロンとダフム」の話です。
ギリシャ〈ローマ〉神話の神々はたくさんいますが、アポロン〈ローマ神話ではアポロ〉はなんといっても、神話界のスターですよ。ゼウスの息子で、とてもハンサムで、太陽神であり、芸能芸術の神です。
ですから、このアポロンは人気があり、ニンフからも慕われます。しかし、自分から恋した場合、なぜか悲劇に終わることが多く、このダフネの話も、そのひとつです。

その話は、こうです。ある日、アポロンが狩りをしてしました。アポロンはクピドの小さな弓を見て、からかいました。それで、クピドが怒って、アポロンに金の矢を、河の神の娘ダフネには鉛の矢を射ました。金の矢は恋に落ち、鉛の矢は嫌いになる矢です。

アポロンの大蛇退治は有名で、それを描いた一枚があります。
「アポロンピュトン〈ニシキヘビ〉」

コルネリス・デ・フォス作{1584-1655)、フレミッシユの画家
1636-38年作、188x265cm、 プラド美術館

この絵には下のような、ルーベンスの下絵があることで有名です。

1636-37年、26.8x42.2cm,プラド美術館、プラド美術館
下絵と本絵では、アポロンの顔の向きと表情が少し違います。
確かに、アポロンの矢と比べると、クピドのそれは小さいです。でも、いつもは穏やかなクピドなのに、その日にかぎってかんかんになるなんて、ご機嫌の悪い日だったのでしょうかね。それとも、積もり積もったものがあり、プライドに傷がついたのかしら。

それで恋に落ちてしまったアポロンはダフネを追いかけ、ダフネは必死に逃げます。
下が逃げているところの絵です。

「アポロンとダフネ」

作者は上と同じで、フォスです。
1630年頃、 193x207cm、 プラド美術館
追いかけっこしているみたい。

こちらにも、下のようなルーベンスの下絵があります。

1630年(?)、28.5x27.5cm、フランスの美術館蔵
もう少しでタッチ、躍動感が伝わってきます。

ダフネは必死げて逃げて、父親に助けを求めます。
下の絵が、「悪魔のトリル」のジャケットにあったと同じ画家、ティエプロの別のスタイルの絵です。

1743-44 年、96x79cm、ルーヴル
こちらは河の神が背中を向けています。クピドがダフネを助けています。
父親は娘を月桂樹に変え、ダフネの指先が、枝になっていっています。

この話は古代ローマの詩人オウィディウスの「変身物語」に基づいています。十八世紀頃まで、イタリアでは、「変身物語」からはたくさんの絵画が生まれ、人気がありました。
しかし、十九世紀期になると、絵画の中心はイタリアからパリに移り、
別の解釈で描かれるようになりました。

下はシャセリオーの「アポロンとダフネ」です。

1846年作、53x35.5cm、ルーヴル

このダフネは足のほうが木になって、地にどっしりと伸びていっています。このダフネは妖艶で、美の女神のようです。弟のようなアポロンは行かないでと言うようにすがりついていますが、それはダフネという女性を追い求めでいるというより、自分の求めている「美」や「芸術」を表しているように見えます。

そして、モローになると、「アポロンとダフネ」はこういう絵になります。

制作年不明、〈たぶん40x40cmくらい〉、モロー美術館

アポロンがしがみついているところ、足のほうから木になているところは、シャセリオーに似ていますが、印象は全く違います。シャセリオーのダフネは豊満で、生命力が感じられましたが、モローのダフネは枝のようで、この場所が死の世界のように見えます。
アポロンがすがっているものは、「年齢」とか「過ぎていく時」のように思われます。

そんなわけで、すべてをもっているアポロンなのに、ダフネを得ることができず、ダフネは月桂樹になっても、アポロンとは結ばれたくなかったのですね。アポロンはタブむのことを諦めきれず、月桂樹の枝を切って冠を作り、頭に載せていたということです。それがあの月桂冠のはじまり。
古代の人は、もし誰かを好きになり、でも、それが叶わない場合、
クピドから矢をうちこまれたためだと考え、「アポロンでさえ、振られたんだから、仕方がない」と思うことにしたのかもしれませんね。






最終更新日  2017.12.21 03:34:45
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