2008/11/22(土)02:05
天然ヒラメとイチョウのまな板
昨日の朝はよく晴れてはいましたがとても寒く、遠くの山はいつのまにか初冠雪。季節は晩秋から初冬へ確実にバトンタッチしたようです。
その昨日、大都会で暮らす義弟夫婦がはるばる遊びに来てくれました。
とにかく澄んだ山の空気が吸いたいというので、初冠雪した山の方角にドライブし、
途中、山里の手打ち蕎麦屋に寄り、新蕎麦をご馳走することにしました。
夫と私はもともとこのお店の蕎麦が気に入ってるのですが、初めての義弟夫婦のお口にあうかどうか?
実は義弟は腕のいい板前さんなのです。
やがて、香りの良い新蕎麦が運ばれて来て、箸を取った彼が開口一番、「これはおいしい」といってくれたときはホッとしました。奥さんも、同様でした。
さて、夕飯準備の時間が来ると、予定通り、我が家の狭い台所はたちまち板場に変身。こんどは客人の義弟が、腕をふるってお土産に持ってきてくれたヒラメを私たちにご馳走をしてくれることになったのです。
ヒラメといっても養殖ではなく、相模湾で獲れた天然モノ。
長さ約52センチのまな板にのせると、体長はほとんど同じでした。
養殖モノと天然モノとの違いは、裏側を見ればすぐわかるそうです。
養殖モノは、どこかに必ず黒っぽい不定形のシミのようなものがあり、
天然モノは真っ白だそうです。
お土産のヒラメは、紛れもなく天然モノでした。
私は、食器を用意するぐらいしか手伝うことがなく、
プロの見事な包丁捌きに見とれてばかりいました。
義弟は手を動かしながら、まな板をしきりにほめてくれます。
うちのまな板は、昨年の暮れ大工の棟梁にいただいたイチョウの無垢の一枚板なのです。
イチョウのまな板は、殺菌力、水はけ、刃当り、いずれも素晴しく、料理人が最高と絶賛するとどこかで知りましたが、どうやらその通りのようです。
最初に出来上がったのが薄造りでした。
フグの薄造りよりは厚めにしたそうです。
次は姿造り。ところがちょうどいい大きさのお皿がなくてあわてました。
うちで一番大きいのは、薄造りに使ってしまったのです。
はたと思いついたのが、まな板。
棟梁から、同じのを2枚いただいたのです。
一枚は、一度も使わずに大事にしまっておきました。
取り出してみると、ああ、それで十分だということになり、やがて完成したのが、
縁側や湯引きした皮も入っています。
ニンジンのチョウも飾られて…。
それにしても、2枚のイチョウのまな板は、これでどんなにか満足してくれたことでしょう。
私たちが天然ヒラメのお造りを堪能したのはいうまでもありません。