[「ヒヨドリをよろしく」関係]の記事一覧 | リバーサイド

削除の理由

「ヒヨドリをよろしく」をすべて削除ブログをはじめて間もないころに右往左往しながら３０回にわけて連載した実話「ヒヨドリをよろしく」を、本日すべて削除しました。主人公のチーちゃんが元気なときから書き直したいと思っていましたがかなわず、いまようやく取り掛かる心の準備ができたからなんです。命日までに一冊の本に今度は、ブログ上で改訂したものをささやかな一冊の本にまとめるつもりです。できれば、チーちゃんの一周忌（４月２２日）に間に合わせたいと思っているのですが、果たして計画通りに進むかどうか...。とにかく最後までがんばりたいと思っておりまので、皆様もどうか応援してください。次回から始める予定です。１９９０年チーちゃんたちの写真やメモを整理していたら、こんなものが出てきました。１６年前に、写真屋さんのサービスで作ってもらったものです。１９９０年こそ、忘れもしないチーちゃんのお母さんが私たちにチーちゃんを託していったその年なのです。チーを偲んで

柿の木とヒヨドリ　帰ってきたチーとダイ

我が家の柿の実も食べごろになりましたが…　今年は、昨年よりも、もっと実がなっていると思っていました。しかし、さて味見にと、木の下に立ったとき、期待は裏切られました。手でもぎとれるようなところには、ひとつも生っていないのです。それどころか、高枝バサミを持ち出してきて、めいっぱい伸ばしても、とどく実はわずかしかありません。たわわに生っているのは、木の高みのほうだけだったのです。青柿のころから、心に浮かんでは消え浮かんでは消えする、私の好きなイメージがあります。一本の柿の木があります。どの枝にも実がたわわになっています。手のとどく木の下のほうの実を、わらじをはいた旅人がもいで食べています。木のてっぺんのほうでは、小鳥たちがにぎやかについばんでいます。やがて、旅人も小鳥たちもいなくなると、カゴをもった家の人が出てきて、長い棒をつかったり木に登ったりして、木の真ん中あたりの実をとりはじめます。つまり、一本の柿の実を旅人と、小鳥と、木の所有者が、仲良く分け合うという図です。元は年寄りから聞いた話です。これでいうと、今年の我が家の柿の実の生り方では、旅人と我が家の分がないのです。親鳥からあずかって１６年間共に暮らしたヒヨドリのチーちゃんが、今年の四月、ついにお迎えが来て空に旅立ちました。それから３ヵ月後の梅雨の時期、今お話しているのと同一の柿の木と重なり合う桜の枝に、私たちはこんな光景を発見しました。むかって左のほうをご覧ください。拡大してみましょう。これは、雨宿りしながら、親鳥を待っているヒヨドリのヒナたちです。とっても感激しました。なぜなら、１６年前、保護して間もないチーちゃんとダイちゃんの仲良しきょうだいそのものの姿だったのです。下の２枚の写真が、１６年前のチーちゃんとダイちゃんです。私たちは、ふたりとも、チーチャンとダイちゃんがもどってきた、と口にだし、うなずきあいました。うれしかったですね。今では本当に、２羽が毎日、私たちの家の近くを元気に飛び回っていると信じきっています。柿の実は、まるで小鳥たちのためにだけのように、高みに寄ってしまったけれど、帰ってきたチーちゃんとダイだいちゃんのことを思うと、正直、ちっとも、残念ではありません。１６年前のチーとダイの話は、「ヒヨドリをよろしく」に書きました。

ありがとう白樺さん　そしてさようなら

　　このあいだの土曜日、ミニ開拓で家庭菜園ができたのですが、夢が叶ったうれしさに現れた土ばかり見ていて、残念ながら写真を撮りそこなってしまいました。月曜日に行ってみたのですが、急に雨足がはげしくなって、車から一歩も出ることができませんでした。そして昨日も今日も雨。家庭菜園の画像は後回しにして、今日は、同じ業者さんに引き続きお願いした別の伐採の画像をご覧いただこうと思います。上は、この私のブログのタイトル欄にのせたのと同じ画像です。私の拙い記録「ヒヨドリをよろしく」で、最初に出てくる画像と元はひとつです。いまから１６年前の夏、夫が我が家の２階の窓からフィルムカメラで撮りました。親鳥に気づかれないように、焦点距離のちょっと長いレンズを使ってはいますが、被写体との距離は、あまりありません。肉眼でも観察できるほどでした。このヒヨドリの巣があったのは、白樺の木です。さらに何年も前、夏場の日よけになるようにと、ほかの場所から我が家屋の近くに移植したのですが、そのときはまだ細くて低い若木でした。それがぐんぐん成長して、このヒヨドリの巣が作られるころは、もう、張った枝葉が２階の窓に触れるほどになってしまいました。この白樺、日よけの役目を立派にはたしてくれている時は、ほんとにありがたい存在なのですが、晩秋のころには、すっかりコマリモノになりはてます。落ち葉が、どれほど隣近所に迷惑を掛けることか―。少し強い風が吹けば、枯葉たちは狭い狭いわが前庭を飛び出して、公道をどこまでも転がっていってしまうのです。それでも私たちは、この白樺を伐ることができませんでした。緑の日よけを失いたくなかったからではありません。けなげな母鳥から預かった子、大切なチーちゃん(「ヒヨドリをよろしく」の主役)。そのチーちゃんの生まれた場所だったからです。今年の四月にチーちゃんのいのちが燃え尽きるまでの１６年間、毎年、落ち葉の季節が巡ってくるたび、同じ思いをくりかえしながら、どうしても伐ることができなかった白樺。そして、チーちゃんがいなくなってからというもの、私たちはよけいこの木を大切におもうようになって、できるだけ枝をきりつめながら、記念樹としていつまでも残すことにしました。ところが、それは先月(八月)のある朝のことでした。前庭に出た夫があわてて戻ってきて、「白樺が倒れちゃったよ」とにわかには信じられないことをいうではありませんか。まさか、と半信半疑でいってみると…、夫の言うとおりでした。昨日までまっすぐ立っていた木が…。私は驚きのあまり、しばらく呆然となっていました。が、やがて、なんともいえない感動で、涙がこみあげてくるほどでした。この白樺の木は、「チーちゃんの最期を見とどけたので自分の役目は終わった」とばかり、チーちゃんのあとを追うように倒れたのです。去年でもなく、来年でもなく、チーちゃんが天国にいったその年に。もっといえば、わずか四ヶ月後です。この月曜日、山の仕事をしていただいたプロの二人にふたたびお願いし、花梨の木にどっかり寄りかかっている白樺を伐っていただきました。上から順々に輪切りにされていく白樺…。そしてついに電動ノコの歯は根元に…。私は心の中で、「白樺さんありがとう」「ごくろうさま」「さようなら」なんだか夢中でいろんな言葉を投げかけていました。最後に切り取られた根元に近い部分は、芯が腐って、空洞になりかかっていました。しっかりした輪切りのいくつかは、花台になるからと、残しておくことにしました。　　　　　　　　　　　　　　　　　

１６才のヒヨドリの最期

　　　　　　　　　　　　チーちゃん　２２日１５時３１分　　　　　　　　　ほとんど最期まで意識がありながらまったく苦しまず　乱れず大好きなお父さんの掌のなかでスーっと息を引き取りました桜の満開のときにあわせたような大往生でした母鳥からこの子を預かって以来約１６年間大切に大切にしてきましたがついに大空へ返してやる日をむかえました私たちはいま母鳥との約束を無事果たすことができたとホッとしておりますですから痛むような悲しみはわいてきませんしかし　寂しさのほうはたとえようもありません小さくても　我が家の大きな大きな存在だったのです１６年前のきょうだい(小柄のほうがチー) ２２日午前１０時５０分のチー息を引き取る４時間２１分前まだ止まり木にいて　羽をふるわせたり囀ったり２２日午後２時２９分のチー息を引き取る１時間２分前おとうさんの掌の中で安心しきっている皆さまへご訪問どうもありがとうございます。　　野鳥のヒヨドリがなぜ我が家で暮らすことになったか、以前、拙いながらカテゴリ「ヒヨドリをよろしく」にそのいきさつを書きましたので、ご覧いただけたら幸いです。このひとつ前の日記の桜の古木は、チーちゃんに深くかかわりがあります。　　