回想6(雌の熊さん)
あれは5年ぐらい前のうだるような8月の荒川どこも渇水で、まとまって釣れる鮎はいない。町役場や小国駅からほど近い荒川中流部、ポイントには先客が3台の車何人いるかは川に行かないとわからない薮川やはり6人の鮎師が竿を握って川に浸かっている。 私も支度をして家から持って来た水槽の鮎を曳舟に3匹移して川への道を藪漕ぎ、途中、スズメバチやアブの群れに寄って来られて閉口する。やっと川に曳舟を付けるとホッとして竿に仕掛けを繋いで囮鮎を解き放つ、最初の波立ちですぐ掛り囮鮎を替えたところで下流の鮎師が騒いで引き上げて来た。対岸を見ると真ん丸の雌の熊さんが水浴びに来たのか沢蟹でも取りに来たのか川に入ってきた。先客は全員ホウホウの体で撤収した。でも距離は30mぐらいあり恐怖感は無かった。私だけになったが熊さんは丸いお尻を向けて笹薮に帰って行ったので、ポイント独り占めでゆっくり友釣りを満喫できた(笑)