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カテゴリ:feng
こんばんは、桜野草一郎です。 ・・・はい、今夜のタイトルは見ての通りですね。 1.自分は準一×湊なんて見たくない、と言う人。 5.今回の作品は、いろいろな意味で中3以上を推奨・・・します。多分。読めない漢字なんかは・・・コピペで検索を!(ぉ;)一応難しそうな漢字には( )内にふりがな振ってます。
さて、それでは読んでみるか~と言う人は下の方の本編にどうぞ~。
秋色のレイニーデイズ(前編) 夢ノ終ワリ 13
10月3日昼 準一の病室 Minato‘s Side
昼間の明るい日差しが差し込む病室の中、私は相変わらず意識を失ったままの兄さんの顔を見ながら、その手を両手で握りしめていました。 結局、昨日は優姫さんの好意に甘えさせて頂き睡眠を取ったのですが、翌朝になっても兄さんは目覚めていませんでした。 あくびをかみ殺しながら学校へと行くため病室を後にする優姫さんにお礼を告げ、私は再びこうして兄さんが目覚めるのを待っています。 胸を上下させ、まるで普通に眠っているかのような穏やかなその表情は、今にも目を覚ましておはようと言ってきそうなのですが、未だその様子は見られません。 そんな兄さんを見ている内に、私の頭の中を嫌な想像がじわじわと浸食していきます。
もしこのままずっと目覚めなかったらどうしよう?
目覚めないだけでなく、いつかこのまま眠ったように死んでいってしまったら?
兄さんのいない家、兄さんのいない学校、兄さんのいない生活、兄さんのいない世界。
底冷えのするほど恐ろしい未来のヴィジョンが、次々と浮かび上がっては私の思考を埋め尽くしていきます。 それと同時に、昼間だというのに私の目の前には暗く重い暗雲が立ち込めたように陰って・・・光を呑み込んでいきます。 それはまるで、私の未来を象徴しているかのようで・・・。
(そんなの・・・・、そんな未来は・・・)
「いや・・・っ!」
ギュッと、兄さんの手を握りしめている私の手に力に力が入ります。 けれど、それを緩めることなど出来ず・・・逆に兄さんの笑顔や声、抱きしめてくれた腕の感触や体温、優しい匂いなどが次々に浮かび上がってきて。 兄さんの目が覚めたとき、笑顔でいられるようにと今までずっと我慢してきた涙が、とうとう私の目から溢れ出しました。 ポタポタと、握りしめた兄さんの手と私の手を濡らすその雫を拭うことも止めることも出来ないまま。 私は声を押し殺して泣き続けました。
「兄さん、兄さん・・・ぐすっ、お願い、目を、開けて下さい・・・っ」
一度溢れ出した涙と言葉は、あとはもう堰が決壊したかのように次々と溢れて止まりませんでした。
「また、不意打ちでキスをして・・・ひっく、笑っておはようって、えぐっ、言って、下さい・・・、お兄、ちゃん・・・っ」
涙が止めどなく溢れて、二人の手を濡らし続けていた・・・その時、でした。
・・・ピクッ・・・。
「ぐずっ・・・、え・・・・・・?」
さっき・・・兄さんの手が、僅かに動いたような・・・? そう思って、流れ出す涙はそのままに呆然と兄さんの顔を見つめていると。 弱々しくはありましたが、今度ははっきりと私の手を握り返してくる感触が伝わってきて。 ハッと息を呑んでいると、日差しに照らされたその瞼が、ゆっくりと開いていき・・・。
「・・・ん・・・」 「・・・・・・っっ!!!」
兄さんが、目を、覚ましました。 先ほどまで頭の中を支配していた暗く重い思考はあっという間に晴れ渡り・・・、窓から差し込む陽光のように私の周りの世界に光が差し、急速に色彩を取り戻していきました。
「にい、さん・・・お兄ちゃんっっ!!」
兄さんが目を覚ました、その事が嬉しくてうれしくて・・・、頭の中が真っ白になった私は、迷子の子供が見つかった母親にするみたいにその胸に飛び込んで思い切り泣き声を上げていました。
「うああぁぁぁあああ・・・っ!!にい、さ・・・っ、良かった、ひぐっ、もう、もう目が覚めないんじゃ、ないかって、心配、したんだからぁっ・・・!!」
消毒薬の混じった病院の匂いが染みついた・・・けれど温かい日差しと兄さんの匂いのするその胸に顔を埋め、私はしばらく声を上げて泣き続けました。
そして数分ほど泣いたところで、いつもなら掛かってくるだろう、心配かけてごめんな湊、とか、私の頭を優しく撫でてくれる感触がないのに気付き、はっとあることに思い至って離れます。 目が覚めたとはいえ、先ほどまで意識を失っていたのです。 ましてや、ナイフで刺された腹部を手術してから、今日でまだ2日目です。 それなのに、嬉しかったからとはいえ子供のように泣きついてしまったりして・・・。 これでまた兄さんの体調が悪くなってしまったら元も子もありません。
「あ、あのっ、兄さん・・・ごめんなさいっ!お体のほうは、もう・・・」
大丈夫ですか、と続けようとして・・・違和感に、気付きました。 兄さんが、こちらをどこかぼんやりとしたような顔で、見ていました。 その目は・・・その目は、まるで・・・。
「・・・・・・」
その口が、何か言葉を言おうと、開かれます。 いつもなら安心できるはずのその言葉を、兄さんが意識を失ってからずっと待ち望んでいたはずのその言葉を何故か今は聞きたくないような、耳を塞いで目を背けてしまいたいような衝動が急速に沸き上がってきました。
「君は・・・」 「・・・え?」
それから、永遠とも思えるような一瞬の間を置いて。
「君は・・・誰?」
世界が、急速に、色を失っていきました。
世界には、幸せばかりが溢れているわけじゃない。 世界には、不幸ばかりが溢れているわけじゃない。 神様は、いつも幸福を与えるわけじゃない。 神様は、いつも不幸を与えるわけじゃない。 彼ら彼女らの物語には、いつも幸せな結末が待っているわけじゃない。 彼ら彼女らの物語には、いつも不幸な結末が待っているわけじゃない。
「だから、僕たちはただ見守るしかない。目の前の二人の、これからの物語を」
前編・完
To be Continued...
・・・はい、というわけでようやく(?)前編終了です。 そして最後の部分。 続きはまだまだ書き途中・・・そして本命の方も本腰入れて書かなければ・・・と言う事で、続きはもう少し後になりそうです。
今日はこの辺で~。
宜しければクリックでも・・・。 攻略キャラは5人+前作のサブキャラ1人! ゲーム期間は1年間、エピソードは500以上! 攻略キャラは5人、そして前作『あまなつ』と第1作の『Pure×Cure』のキャラも登場! 好きになったら告白できるAVG! 『Sugar+Spice!(シュガースパイス)』(チュアブルソフト)の最新情報は公式サイトにてチェック!(ただし購入できない年齢の人はクリック厳禁) 「このコがいいのさ!ヒロイン人気投票決戦会場」にて開催されていた、第二次人気投票終了!! 果たして結果は・・・!? それでは、今日はこの辺で。 では。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 9, 2007 01:51:33 AM
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