こんばんは、桜野草一郎です。
・・・はい、今日のタイトルは見ての通りですね。
昨日言っていた、『"文学少女"と死にたがりの道化(ピエロ)』(著:野村美月 イラスト:竹岡美穂)を、本日・・・もとい27日に読破しました。
さて、感想ですが・・・。
その前に、いつものように本の紹介を・・・。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。
それは、単なる恋文の代筆のはずだったが...。
物語を食べちゃうくらい深く愛している"文学少女"天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。
ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な"お化け"の嘆きと絶望の物語だった-。
野村美月が贈る新味、口溶け軽めでちょっぴりビターな、ミステリアス学園コメディ、開幕。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
野村美月(ノムラミズキ)
福島出身。幼い頃より「物語」を作るのが好きで、作家を目指す。『赤城山卓球場に歌声は響く』で第3回えんため大賞小説部門最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
と言う事ですが・・・。
これから先は少々ネタバレ有りの感想になる・・・かもしれません。(ぇ;)
これから書くところなので何とも言えませんが、(ネタバレが)気になる人は読まずにとばして下さいデス;
さて。
この作品の主人公(?)は「天野 遠子」(あまの とおこ)さんという少女(高三)と、「井上 心葉」(いのうえ このは)という少年(高二)です。
本の紹介にもあったように遠子さんは、文字通り物語(本)を食べてしまう"文学少女"です。
以下、本分より抜粋・・・。(視点は井上心葉)
黙っていれば、遠子先輩は大変お上品そうで、お人形さんのような人だった。
けど--。
白い指でおもむろに本のページを破くと、遠子先輩はそれをぱくりと口にくわえ、ヤギのようにむしゃむしゃ食べはじめた。
(ああ、食べてる・・・・・・食べてるよ。何度見てもシュールだ)
ぴりっ、カサッ、コソッ・・・・・・。
むぐむぐ、こくんっ。
(中略)
「(中略)ギャリコの物語は、火照った心をさまし、癒してくれる最上級のソルベの味よ。喉にするりと滑り込んでゆく食感がたまらないわ。『ジェニィ』も『雪のひとひら』も、ぜひ読んで!訳は断然矢川澄子(やがわすみこ)さん推奨よ!」
ぼくは、でこぼこしたテーブルに、五十枚綴りの原稿用紙を置いて、HBのシャーペンで三題噺(さんだいばなし)を書いていた。今日のお題は、"初恋""苺大福""国会議事堂"--なんかもうめちゃくちゃだ。
(中略)
「ほらほら、残り時間はあと五分よ。尊敬する先輩のために、とびきり美味しいおやつを書いてね。ギャリコが、甘さ控えめすっきり爽やかだったから、今度はう~~~んと甘いのがいいわ。切ない物語も素敵だけど、恋愛小説はやっぱりハッピーエンドよね。相手が白血病で死んじゃうとか、心臓病で死んじゃうとか、飛行機事故で死んじゃうとか、苺大福を喉につまらせて死んじゃうとか、そういうのはナシにしてね」
決めた。
路線変更だ。
国会議事堂の前で再会した初恋の女の子が、突然空から降ってきた苺大福の箱に頭をぶつけて死んじゃう話にしよう。
(中略)
竹田さんが帰ったあと、ぼくが書いた三題噺を食べながら、遠子先輩はべそをかいた。
「やだぁ、苺大福の箱が落っこってきて初恋の人が死んじゃった~~~。やだぁ、やだぁ、ヘンな味~~~。お豆腐のお味噌汁に、あんこを浮かべたみたい~~~。ぐすっ、ひっく、マズイよ~~~」
以上、『"文学少女"と死にたがりの道化(ピエロ)』より、本分の一部抜粋。
以上が、遠子さんというキャラなのですが・・・。
いやはや・・・本を食べて、しかもその中身によっていろいろな味の感想を呟くとは、すごく斬新なアイデアだなぁと感心しました。
もちろん、アイデアだけではなくキャラも魅力的です。
むしろ、物語を食べて喜怒哀楽を表現する遠子さんが可愛いです。
何だか読んでるだけで和みます。
ちなみに、『このライトノベルがすごい! 2008』という本に、2006年10月1日~2007年9月30日刊行の小説を対象とした4つのランキング(ライトノベル読者による、ライトノベル読者のためのランキング)が発表されているのですが・・・。
それぞれ、作品(シリーズ)部門・女性キャラクター部門・男性キャラクター部門・イラストレーター部門において、この"文学少女"シリーズのランキングは、以下の通りでした。
シリーズ部門 第3位
女性キャラクター部門(天野遠子) 第2位
男性キャラクター部門(井上心葉) 第7位
イラストレーター部門 第2位
・・・まぁ、男性キャラクター部門はともかくとして(それでも10位以内;)、他の3つの部門においては全てベスト3以内でした。
え~っと、話が逸れましたが。
この物語は、作者の野村さん曰く、"しりあす"なお話、だそうです。
・・・いや、実際上に抜粋したようにコメディタッチな場面もありますが、その他の場面は結構(?)シリアスな感じです。
『恥の多い生涯を送ってきました』
本文が始まる前のページに次のような言葉とその続きの文章が書いてあったのですが、さてみなさんはこの言葉に見覚えはないでしょうか?
自分も、「どこかで・・・どこかで聞いた事があるぞこれは・・・」と思い出せなかったのですが、「太宰治」の『人間失格』に出てくるものです。
この物語では主人公の過去と、とあるキャラの過去と現在、そしてまた別の過去の出来事などなどが、複雑に絡み合って物語を構成しています。
随所に『人間失格』を彷彿とさせる(?)文章がちりばめられていて、果たしてこれはとあるキャラの事を言っているのか、過去に起きた別の事件の事を言っているのか、それとも主人公の過去の事を言っているのか・・・はたまた単に『人間失格』の文章なのか・・・と、先を読ませない迷宮のような物語構成となっています。
自分も途中で軽く混乱してしまいました;
それでいて物語終盤で徐々に事実が明らかなっていくと、「なるほど、そういう事だったのか!」と、縺れた(もつれた)乱麻を断つかのように爽快な気分を味合わせてくれました。
魅力溢れるキャラ同士のコメディタッチなやりとりももちろん面白いのですが、張り巡らされた伏線と、それが解かれていく時の爽快感も良かったですね。
いやはや、続きを読むのが楽しみです。
次はこのシリーズの第二巻を読む・・・予定です。
また読み終わったら感想でも載せてみます。
今日はこの辺で~。
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それでは、今日はこの辺で。
では。