2008/03/20(木)11:56
有吉佐和子著「悪女について」
明日は、祝日「春分の日」
会社はお休み、嬉しいな
と言いたいところですが・・・
熟考して仕上げなければいけない面倒な仕事があり、
上司の許可をもらって、それを家に持って帰ってきました。
会社では、電話や横入りで落ち着いてできないからね~
(以前は、許可無く仕事を持って帰れたけど、今はセキュリティの問題もあって、
お持ち帰りは、気を遣いますね)
明日は、一日、家でそれに取り掛かろうと思います。
明日は、お天気が、あまり良くないみたいだから、丁度いいや
*
さて、今日は、
最近、読んだ本の中で、なかなか面白かった、
有吉佐和子著「悪女について」をご紹介したいと思います。
この本は、前職の年下の女性から
「是非、読んでください!!!」と薦められた本です。
悪女について改版
*
まずは、あらすじから(文庫版・背表紙紹介文より)
《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》
スキャンダルにまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家・富小路公子。
彼女に関わった27人の男女へのインタビューで浮かび上がってきたのは、
騙された男たちにもそれと気付かぬ、恐ろしくも奇想天外な女の悪の
愉しみ方だった。男社会を逆手にとり、しかも女の魅力を完璧に発揮して
男たちを翻弄しながら、豪奢に悪を愉しんだ女の一生。
*
昔に比べたら、女性の社会進出は、
随分、進んだと言われていますが、
それは、ほんの一握り。
まだまだ、女性が一人で生きていくのは
厳しいと言わざるを得ないことを、
一人暮らしをしている私は、ひしひしと実感しています。
だから、この本の主人公「富小路公子」の、
男性を騙しながら、したたかに生きていく姿が、
とっても小気味好かったですっ
*
また、この物語の面白いところは、
主人公・富小路公子が、一切、登場しない点です。
彼女が死んだ後に行った、周囲27人のインタビューから、
彼女自身を浮き彫りにしていく、という形で物語が進みます。
この手法は、昨年に読んだ、松井今朝子著「吉原手引草」と同じ。
(2007/11/4 ブログ)
吉原手引草
この「吉原手引草」よりも、
「悪女について」が優れていた点は、
27人が語る主人公の印象が、ことごとく違っていて
最後の最後まで、彼女がどんな人物なのか、
はっきりと分からないと言うこと。
それだけ、主人公は、一人で色々な自分を演じていたことになります。
つまり、同時期に、何人もの人を自然に騙していた?ことになります。
思わず、主人公の生き様を「表」にしてみたくなってしまいました。
すごいわ~
この生き様は、
頭がすごく良くて、女性としての魅力に満ち満ちていないと
出来ない芸当ですね。
私には無理・・・(笑)
*
読み終わった後、
このパズルの様な人生を描ききった、
有吉佐和子さんの構成力・文章力を
改めて「さすがだなぁ~」と思ってしまいました。
最後、バタバタで終わってしまった
「吉原手引草」よりもオススメです