2008/10/23(木)01:55
芸術の秋7 「宮廷画家ゴヤは見た」
私の仕事も、
ようやく落ち着きを取り戻してきたので、
今日、久し振りに
とっとと帰ってやりました
19時頃に仕事を終えるってこと、ほとんど無いから、
上司は、びっくりした顔をしていたけど、
無視・ムシ
付き合い残業なんて
してられないのだっ
で。
折角、早く帰れたので、
久し振りに映画を観て帰ることしました~
今日、観た映画は「宮廷画家ゴヤは見た」
※画家ゴヤが絡んだ映画なので、
「芸術の秋」シリーズとして書かせて頂きますね(笑)
*
まずは、簡単にあらすじを
舞台は、18世紀末~19世紀初頭、スペイン・マドリッド。
宮廷画家ゴヤが懇意にしている裕福な商人の娘イネスが
ささいなことがきっかけで、
異端審問を強化した、カトリック教会に捕まってしまいます。
イネスの家族やゴヤは、
知り合いのロレンソ神父に
イネスを解放するように頼みますが、
結局、その願いは叶わず、
逆にイネスは、その神父に襲われ
彼の子供を宿してしまいます。。。
その後、映画は、ゴヤの目を通した形で、
激動の歴史に翻弄される、
イネス・ロレンソ神父・教会・権力者の姿を
描いていました。
*
私、観る前は、この映画、てっきりゴヤが主役なのかと
思っていました。
しかし、本当の主役は、
ゴヤの周りの人たちと、歴史でした。
ナポレオン侵攻前後のスペインが舞台なので、
激動につぐ激動。
昨日までの「白」「正」が
今日になったら一転して「黒」「悪」へ。
そして再び、「白」「正」に戻る・・・
一体
何を信じていいのか・・・
判断基準の物差しが、あっと言う間に180度変わってしまう・・・
そんな時代を描いていました。
あまりにも時代が激動すぎて、
2時間でまとめるのには、
ちょっと辛かったかなという気もしますが、
ま、仕方ない。
*
しかし、この映画は、人間の愚かさ・業を
うまく描いていました。
金・権力・欲望の亡者となってしまった人たちは、
本当に哀れで、醜かったです。
神に仕える神父たちも、可笑しくなる位に
愚かだったわ・・・
結局、一番、美しく描かれていたのは
正気を失ってしまったイネスだけでした。
*
権力も、物も、価値も、金も、
そして・・・寂しいけれど、
人の心でさえも、「永遠」ってものはなくて、
それに全部をすがって(頼って)生きているのが
一番、不幸なのかなって感じました。
(良い?悪い?例:
権力に取りすがって生きたロレンソ神父。最後、哀れで見てられなかったわ)
ちゃんと自分の足で立って、自分の目で見たものを
自分の頭で考えて、
生きていける力を
身につけていかなきゃね。
*
イネスを演じたナタリー・ポートマンさん、
美しいお顔に、特殊メイクをして
頑張っておられました。
映画後半の演技は、お見事でした。
*
エンドロールでは、
ゴヤの絵がずっと紹介されています。
まるで、動く美術展のようです。
また、映画の途中でも
プラド美術館に収蔵されている有名な絵が
所々映し出されます。
(ベラスケス・ラスメニーナスや、ボス・快楽の園など)
私、以前、スペインに行った時に、
2日間にかけてプラド美術館をゆっくり鑑賞したので、
ゴヤの絵も含めて、懐かしかったわ~
詳しくは↓
宮廷画家ゴヤは見た 公式HP