2009/05/31(日)01:26
ピカソとクレーの生きた時代展
豚インフルエンザ事件もようやく落ち着きを見せ、
我が社も先週なかほどに、やっとマスク解放宣言が
出されました。
ったく・・・
そんな折、時間ができたので
豚インフルで大阪以上に大変だった神戸に
本日ふらぁ~っと行ってまいりました。
目的は、兵庫県立美術館で開催されている、
「ピカソとクレーの生きた時代展」
ドイツ・デュッセルドルフにある
ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が改修のために
休館するのを機に、この美術館が所蔵している作品64点
(20世紀美術コレクション)を紹介するもの。
先に行かれた方の評判を聞いていると
全体的に評価が高かった、この展覧会。
その評価が、今日行ってみて、
よくわかりました。
*
紹介されていたのは、
ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が誇る
20世紀美術。
展覧会名に挙げられているピカソ・クレーをはじめ、
ミロ・マグリット・マティス・シャガール・カンディンスキーなど
20世紀を代表する巨匠たちの作品が
惜しげもなく展示されていました。
なかでも印象的だったのは、この美術館が一番力を入れて
収集したといわれるクレーの作品群(27点)。
私、クレーの作品をここまで一度に鑑賞したのは
これが初めてでした。
う~ん、クレーって
こんなに可愛らしくて、あったかくて、
色彩豊かな作品を描いておられたんだ~
もろ、私好みで
鑑賞し終えた頃には、すっかりファンになってしまいました。
彼のことをもっと知りたくて、今回は
展覧会のショップで図録ではなく、彼自身のミニ画集を
購入してしまいました↓
美術展出口で、サービスで配信していた
クレーの作品を参考までに3点貼り付けしておきます。↓
↑優しい黄色がすごく印象的な作品
↑
可愛い♪
この3点以外にも、クレーの作品で印象に残ったのは、
水彩画たち。
“水彩”ってことを差し引いても、
彼の「色使い」は、ホント優しくて、柔らかくて、
そして楽しさを感じさせ、
観ているだけで、かなり心が軽くなりました。
*
以下、クレー以外で印象に残った画家・作品などを
簡単にメモしておきます。
マティス「午後の休息(サン=トロぺ湾)」
実は私、マティスの絵は、
あまり好きじゃない。
絵から受けるイメージが、ちょっと煩い感じがするんです。
けど、この作品はいいなぁ~と思いました。
使われている色が豊かで、静か。
シャガールの作品2点
「色彩の魔術師」だとか「色彩の詩人」とか言われる
シャガールだけど、
この展覧会で展示されていた作品は、色調が抑えめの
作品でした。
ピカソ「二人の座る裸婦」
ピカソの作品は6点展示されていたんですが、
私が一番印象に残ったのは、「二人の座る裸婦」
暗めの色遣いで、裸婦の表情も覇気がないんだけど
でも、彼女たちの力強さ・底力を、ぐっと感じさせる作品でした。
「知識階級には、負けへんで」って感じ(笑)
ええなぁ~その秘めた強さ。
ミロ「リズミカルな人々」
画名通り、なんて楽しそうな絵でしょう♪
背景の色のグラデーションも綺麗。
最後に全体的な感想で〆。
今回の展覧会は、20世紀美術が集結していたけど、
これらを鑑賞して、やっぱり20世紀って
「戦争の世紀」だったんだなぁ~って感じました。
画家自身が兵隊として戦地に赴いたり、
ナチスの「退廃芸術」に関係していたり、
戦争反対を意識して描かれた作品があったり。。。
「戦争」が、作品に大きな影響を与えていて、
展示されていた作品は、
クレー以外は、重い物が多かったです。
また、ドイツというお国柄を表しているのか、
堅い作品も結構あったかな。
*
残念ながら開催は明日5/31まで。
詳しくは↓
「ピカソとクレーの生きた時代展」
兵庫県立美術館 HP