2009/10/12(月)23:37
中野京子著「怖い絵3」
決算で頑張ったご褒美↓
さて今日は、中野京子著「怖い絵3」について。
怖い絵(3)
「怖い絵」(2008/9/14ブログ)
「怖い絵2」(2009/3/1ブログ)
に続いてのシリーズ第3弾。
かつ、完結編。
これで終わりなのはとっても残念だけど、
3巻目は少しワンパターン化してきたように感じるので
ここでスパッと終わっておくほうのがちょうどいいのかも。
*
紹介されている20作品のうち、一番印象に残ったのは
ルーベンス工房「メドゥーサの首」
こ、怖い・・・
これぞ正に「怖い絵」
どんだけ怖いかをお見せしたかったのですが、
アフィリエイトでも扱っていないみたいで
画像を貼り付け出てきませんでした。
そりゃそうだわな、誰も好き好んで
あんな怖い絵を部屋に飾ろうとは
思わないよなぁ~
どす黒い全体。
胴体から切り落とされたメドゥーサの首。
血走った目をむき、
切り落とされた首から流れ落ちる血潮。
錯乱状態のメドゥーサの髪であった蛇たち。
(この蛇たちの描き方が、またリアル)
描きこまれた不気味な生物
・・・
メドゥーサの首を落とすシーンには、
色々、神話上の意味があるようですが、
当時、ルーベンスに、この絵を描くように
依頼した教養ある?注文主は、この絵の出来上がりに
さぞかしびっくりしただろうな。
ここまでグロテスクとは・・・!
怖いもの見たさで、実物を実際に見てみたい気がします。
(ウィーン美術史美術館所蔵)
*
続いて、
レーピン「皇女ソフィア」
こちらも怖い・・・
幽閉中の皇女ソフィアが
カッと見開いた、怒り心頭に発した目でこちらを睨んでいます。。。
窓の外には、首を吊られたソフィアお付きの兵隊。
何にも悪事をしていなかったとしても、
ソフィアのこの風貌で目の前に立たれたら
「すみませんでした、許してください」と
土下座をしたくなるような、そんな力を絵から感じます。
この絵もホント部屋に飾りたくないなぁ~。
権力を愛した“皇女ソフィア”。
その人生は、「戦い」「怒り」で
塗り固められたものだったんでしょうね。
それを1枚の絵に表現した画家の画力に拍手
(トレチャコフ美術館所蔵)
*
シリーズ3巻を読み終わって感じたこと。
著者・中野さんのあとがきにもあるように、
絵を鑑賞するにあたり、
歴史や神話を知っているのとそうでないのとで、
こんなにも鑑賞するポイントが
違ってくるのかってことが良くわかりました。
今回取り上げた2作品は、
見るからに怖い作品なのですが、
一見、穏やかで美しい作品であっても
意味や背景を知れば、あっという間に“怖い絵”に
早変わり。
う~ん、絵画鑑賞って
本当に奥が深い。。。
折角、鑑賞するんだから
観る方もちったぁ知識をつけないとね。
私は、これまで100%感覚のみで
鑑賞しておりました、ウキャッ