ひとりごと♪

2009/12/07(月)02:05

西田研志著「サルでもできる弁護士業」&笹山尚人著「人が壊れてゆく職場」

本・マンガ(69)

今日は、タイプの違う2人の弁護士さんが書かれた本を ご紹介。 まずは、西田研志著「サルでもできる弁護士業」。 サルでもできる弁護士業 【内容情報】(「BOOK」データベースより) どこの国と比べてみても、日本の弁護士は特殊だ。 彼らは、人々のために仕事をするのではない。 彼ら自身のために仕事をするのである。世間の常識は、 弁護士の世界では常識ではない。 歪んだ日本の弁護士業界の内幕をすべて白日の下に曝す。       * 本後半は、弁護士である著者事務所の宣伝になっているように 感じましたが、 前半部分は、びっくりする内容でした。 弁護士業界って、本当にそうなの?って感じ。 多少、著者の偏った意見が含まれているんだと思いますが、 エリートとよばれるこの業界の裏側を のぞき見したような気になりました。 以下、内容を少しご紹介。 ・弁護士を縛り付けているものは、  弁護士会・日本弁護士連合会(日弁連)と  “弁護士法第72条” 「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、  非訟事件及び審査請求、異議申立て、審査請求等行政庁に対する  不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁  若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋を  することを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に  別段の定めがある場合は、この限りでない。」  ~この法により、何から何まで弁護士が業務を行わないといけない。   お陰で、ひとりの弁護士が年間に処理する事件の数は30~40件~ ・以前の弁護士業界は、広告が禁止されていた為、  弁護士会からの紹介で仕事をしていた。(弁護士会からの“飴”)  その為、弁護士は、ゴミ事件ばかりの一般の国民のほうを  向こうとせず、ひたすら弁護士会のほうを見てきたのだ。 ・弁護士会は、いまどきありえない古い派閥組織。  “ギルド”。 ・日弁連は、実質共産党の支配下。 ・(著者は)弁護士業のマニュアル化に取り組んでおり、  今まで、見向きもされなかった所謂「ゴミ事件」の  安・早・高品質解決を提供している。  (お陰で弁護士会から、非弁行為疑惑をかけられる) ・「なんでも屋」になるというのは、何でもできるわけだが、  翻せば「何もできない」ということである。   などなど。 著者が目指しているのは、パラリーガルを活用した 弁護業務のシステム化・マニュアル化。 弁護士は、あくまでも法律の専門家であり、 被害者の心の痛みまでじっくりと話を聴くことはない。 それは、別の専門家に任せたほうがいい。 そうすればもっと法の仕事に特化でき、 件数もこなせる。 また、余った時間で、 もっと法に関する良い仕事ができる。 弁護士会などに頼っていた時代は終わった、 これからは各弁護士がもっと自由に、 仕事の幅を広げていくべきだ、と。 マニュアル化かぁ~ これまで私、弁護士に頼ったことは ないので何とも言えませんが、 これにも一長一短があるんだろうなと思いました。 中にはお金を払ってでも 話をじっくりと聴いてほしい クライアントもいると思うんです。 ただ、色々なタイプの弁護士を 依頼側が選ぶことができるようになることは、 凄くいいことなのかなって思います。       * 続いて、笹山尚人著「人が壊れてゆく職場」。 こちらは先ほどの、 西田研志弁護士とは考え方が正反対。 人が壊れてゆく職場 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 現代の労働者の困窮は、働く権利の問題だけではなく、 「貧困」という生活全体の困窮の問題に広がり始めている。 本書は、実際に起きた事件から、「法令を守らない使用者」と 「立場の弱い労働者」にスポットを当て、格差、ワーキング・プア、 貧困問題に風穴をあける取り組みを紹介する。 上記、内容情報にもあるように、 この「人が壊れてゆく職場」は、 労働事件(パワハラ、非正規、解雇など)を取り上げた本でした。 この本の中で、著者は、 「非正規労働者から、利益をたくさん挙げようというのは、 もともと無理な話である。しかし、非正規雇用の仕事は 実に気持ちいい。本当に助けを必要としている人の役に 立てたという実感があるからだ。 首都圏青年ユニオンと連携して一緒に戦うことで、依頼者の要求にも、 周囲の労働者の労働環境改善にも貢献できたのである。 これはお金に換え難い醍醐味である。だから、私は非正規雇用問題に 取り組むことを止めようと思わない。」 と書いておられました。 う~ん、実に爽やか。 依頼者の為に、ユニオンと連携し、労働環境改善にも貢献されるって、 相当時間のかかることだと思います。 これは、安・速のマニュアルでは出来ないこと。       * 弁護士さんに 頼らなくてはいけなくなった時、私は 淡々と片づけたい、敷金などの問題は 西田弁護士タイプに、 心の痛みを伴うような問題は、 笹山弁護士タイプに、 依頼したいと思います

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