第四回★「正解を求めない子育て」で、前向き思考の子に育てよう
皆さんこんにちは。横浜市でピアノ指導&コーチをしております、林美紀です。ピアノ指導者として、3児の母として、どうすれば気持ちよく日々を過ごしていけるのか、考察&観察&実践をしています。この記事は、「お子さんのピアノをやめさせようか悩んでいる親御さん向け」の連載、第四回です。総合目次はコチラです。前回の記事では→「練習嫌いなお子さんへの対策」の1つ目として、「お子さんの好きなことをピアノの練習に取り入れる」というお話をさせていただきました。まだお読みでない方は、こちらからどうぞ。今回は、「練習嫌いなお子さんへの対策」の2つ目として「お子さんの思考を前向きに変える」方法をご紹介します。練習のたびに、ちょっとできないとグズグズ……なだめてもすかしてもダメ。これが毎日のことだと、イライラしますよね。「できないなら頑張ってできるようにすればいいじゃない!」と、大人なら思いますよね。でも、あきらめないでください(*^_^*)後ろ向き志向はもって生まれたお子さん自身の性格であることが多く、ちょっと声掛けを変えるだけで、「やってみようかな」という前向き思考が育つ可能性があるんです。そして前向き思考が育ってくると「できないことができるようになると楽しいと思える子」になり、その結果、練習の「イヤ」が「楽しみ!」に変わります。どのようにして、お子さんを前向き思考に変えていくのか……それは、毎日の声掛けの仕方にポイントがあります。そのポイントとは、大人の側の考えや論理を押しつけず、お子さんの発達やペースに合わせた「受け入れる」声掛けをしていくということです。これは、ピアノの練習の時だけではなく、生活全般で心がけてみてください。つい、こんな言葉がけをしていませんか?「それ違うよ」「ほら、またそこを間違えたよ」「なんでできないの?」「はやくはやく」「こうしなさい」そんな言葉がけには、お子さんに「間違えたらいけないんだ」「今の自分じゃいけないんだ」という気持ちを抱かせます。そして、お子さんの中でそういう思いが強まってくると、意欲的に何かに取組もうとしなくなります。「できない=怒られる・認められない」という図式ができてしまうと、「できないことはやらない」のが、怒られない一番の近道だからです。そうならないためには、どうしたらよいのか。3人の子育てや、生徒さんを見てきた中でたどり着いたのはお子さんに「ただ一つの正解」を押しつけないこと。お子さんを急かさないこと。お子さんを否定しないで、「ありのままの子どもを受け入れる」という答えでした。具体的には、「できない」ときに、怒らない→詳しく聞く。何が難しいのか、わからないのか。「できないのね。どこが難しいの?」「正解じゃない」ときにも、怒らない→ユニークな部分は認め、正解が必要な場合だけ、正しく導く。「その考え、面白いね。ここはこっちの方がいいと思うよ」「早くできない」からといって、怒らない→それは本当に必要なことなのか、もう一度自分に問いかける。のんびりペースのお子さんは尊重する。「ゆっくりでいいから、少しずつできるようになろうね」「ほかの子と違う」「遅れている」ことを、短所だと思わない→それはわが子の個性。認めて受け入れましょう。「これは苦手だけと、こっちはすごいよね」できていることを認めよう。上記のような声掛けをしていきますと、お母さん自身もお子さんの多様性を認められるようになります。お子さんが自由に発想して考える力を伸ばすことができます。そういうお子さんは「不正解」「できないこと」を恐れなくなります。「できない」ときには「他の方法」を考えるようになります。「他の方法」を試して「できる」ようになったときには、大きな喜びを感じます。結果的に「できないことができるようになるのが楽しい」と思える子になります。子育てには正解はなく、多様な個性、ペース、やり方があります。幅広く考えて、心豊かにお子さんに接してあげてください。逆に、お子さんを否定もしていないし、わりと自由にのびのびと育ててます、という方は、下記も試してみてください。・モノや情報を与えすぎず、小さなことでも楽しみにできる習慣を作る小さいころから、あまりモノや情報を与えすぎずに、『小さいことを楽しみに待つ』習慣を身につけたお子さんほど、「自律精神」や「忍耐と空想力」が養われるので、「できないことができるようになるのが楽しみ」になります。この辺りは、機会があればいずれ詳しく……ピアノの上達は長くかかるもの。今日からお子さんの個性や可能性を信じて、「どっしり構えて」みてくださいね。きっと数年後には変化が表れると思います。次回は、「練習に取組んではいるけれど、なかなかできない子はどうしたらいいのか」についてお話しします。第四回 終わり第五回★がんばってはいるけれど…なかなかできないわが子にイライラ