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テーマ:音楽のお仕事♪(1720)
カテゴリ:└コーチング・強み
この記事は、ピアノ指導者であり、コーチである林がご紹介する「生徒の個性別レッスンアドバイス」シリーズの第一回目です。
総合目次はコチラです。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 生徒のことをどのくらい知っていますか? すでにご存じのことと思いますが、より良いレッスンをするためには、どんな生徒のレッスンをするときにでも、その子が一番その子らしくピアノを楽しみ、壁を乗り越えていける方法を一緒に考えることがポイント! そのために、まず大切なのは、生徒一人ひとりを深く知ること! これも当然ですよね。 そのために、生徒のレッスンカルテを作って活用していらっしゃる先生は多いと思います。 曲の進み具合、使った教材、これから伸ばしたい点、補強したい点などの記録は、レッスン計画を立てる上で欠かせない情報です ![]() これらの情報を集める理由は、生徒の情報を先生が活用するためだと思います。 生徒の出来・不出来・進行状況などから、レッスンプランを立てたり、生徒の問題点を見つけ、それを解決したりしていくわけです。 これらは、レッスンを向上させるツールとしてはよいのですが、一つ落とし穴があります。 生徒の出来具合ばかりに焦点を当てていると、「生徒という人間そのもの」が見えなくなる場合があるのです。 以前の私がそうでした。 毎回毎回、生徒の出来具合に振り回され、一喜一憂。 「この生徒が本当は何を望んでいるのか」 「やる気が出るのはどういうシチュエーションなのか」 「練習しなかった時の気持ちや家庭の状態はどんなものなのか」 「どんな言い方をすれば生徒の心に、私の言葉が響くのか」 そんなことまでは気が回りませんでした。 練習してこなかった=やる気がない・ご家庭の協力がない・私の指導が悪い どんな生徒に対しても、単純な図式に当てはめていたんです。 ですが、ピアノを習うのも人間、練習するのも人間です。 出来不出来は、人間の行動の積み重ねが生み出すもので、人間の行動は、その人の性格や、習慣や、過去の経験や、その時々におかれた環境などで決められます。 私はこれを、ある尊敬するコーチから教わりました。 そうなると、同じ問題が起こった場合でも、性格や環境が違う二人の生徒に対しては、対応も異なってきます。 たとえば、ピアノの優先順位が下がってきた場合。 新鮮味が薄れてきたのか 時間をうまく使えていないのか 環境の変化に影響されているのか やることが多すぎでアップアップしているのか など、 その問題を引き起こしている原因が何なのかによって、対応は異なりますよね。 もっと学習意欲を促したい場合。 一人でコツコツ取り組みたい生徒と、 友達と競い合いながら取り組みたい生徒 とでは、 やはり、対応が異なります。 そのときどきで、原因を調べて対応してもよいのですが、あらかじめ、生徒の特性や興味、環境などを知っておくことで、よりスムースに対応することができますし、保護者に相談・アドバイスもしやすくなります。 それらを知るために、前にもご紹介した、「好きなこと・得意なこと発見シート」を作成。 様々な角度から生徒のことを知る手掛かりにしました。 前置きが長くなりましたが……上記シートに基づき、このシリーズでは、生徒の個性を知る切り口を、生徒の「思考と行動の傾向」「対人関係の取り方の傾向」「学習傾向」の3つに分け、それぞれに対してレッスンアドバイスをまとめました。 上記シートには載っていない項目に関してのアドバイスも付け加えてあります。 少しでもご参考になればさいわいです ![]() 1・思考と行動の傾向別レッスンアドバイス ![]() 「これがもし素敵に弾けたらどんな気持ち?」「こんなこともやったら楽しいよね!」と、「既に上手にできている未来」を想像させる。失敗したときには、原因追及を深くするよりも、「これからどうするのか」をたくさん語らせる。叱るよりほめる。気が変わりやすいので、飽きさせないレッスンの工夫をしていく。 ![]() 「去年はこんな曲をこんな風に弾いていたんだよ」「今まで、こんなこともあんなこともしたよね」という声掛けや、記録を残したものを見せてあげる。自分で記録させて、振りかえりをさせる。 ![]() 急かさない。じっくり考える時間を与える。広く浅くは好まないが、一つのことに対して、別の視点を与えるのはグッド。 ![]() 1冊の曲集を全曲やらせず、やりたい曲を選ばせる。1回のレッスンの中で1曲に時間をかけない。長い曲は小分けにして与えてもいい。分量の少ないテキストを数冊同時にやらせ、気分を変えさせる。 ![]() 家での練習の際、練習時間を決めて一気に終わらせるようアドバイス。ただし、週1回長時間やるより、少しの時間でもいいので毎日継続するほうが、効果が上がることを言い聞かせる必要がある。 ![]() 家での練習の際、一日の中で練習時間を決めず、気が向いたときに何度でもピアノに向かうようアドバイス。朝と夜2回に分けてもいい。 ![]() みんなの良く知っている聞き映えのする曲を与える。イベント時の司会や仕切り役を任せる。 ![]() その子が得意なことを見つけてこっそりほめる。裏方を頼む。間接的にほめる(〇〇ちゃんが、あなたのことすごいって言ってたよ)。 ![]() レッスンの集中力が切れてきたら、体を動かしてもらう。音と体の動きを結びつけるようなレッスンをする。 ![]() 身近なものと音楽を結びつけるような宿題の出し方をする(○○で遊んだあとにピアノの練習する、テレビCMの曲で知っている曲をいくつ見つけられたか数えてくるなど)。 ![]() 話を良く聞き、見当違いのことで怒らないよう注意する。生徒の人格ではなく、冷静に、起きていることを指摘する(先週言ったことが直っていなかったけど、この一週間、どういう取り組みをしたの?)。 ![]() ピンポイントでキチッと指摘する(よく音に集中して! だらだらしないで!)。 ![]() あれをやって、これをやってというような、あいまいな計画ではなく、何がどこまでできれば満足なのかを考えさせる。 ![]() いったん行動させてから、行動を振り返らせ、成功ポイント、失敗ポイントを整理するサポートをする。走ったら走りっぱなしにしないで、先生が時々とめて、ピットインさせる。 ![]() ![]() ![]() ![]() 次回は…… 2・対人関係の取り方の傾向別レッスンアドバイス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.03.31 10:45:22
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