2012/02/25(土)23:23
なぜ「偶数に奇数を足すと必ず奇数になる」か?
タイトルの問題は日本数学会が昨年4~7月、全国の48大学で受験を終えたばかりの1年生を中心とする約6000人を対象に実施した大学生数学基本調査に出題された問題のうちの1つ
これを数式と文章で説明するというもので中2レベルの問題とのこと
結果、正答とほぼ正答をあわせても全体の33.9%
東大・京大など最難関国立大群は76.6%だったが、私立は最難関の群でも27.8%であったとのこと
誤答例には「思いつく偶数と奇数を足したら全て奇数だった」と例を示して論証としたり、「偶数は2で割り切れ、奇数は2で割ると1余るから」と偶数・奇数の意味を反復したり、いくつかの例で試したところそれがすべて奇数だったから奇数としたりするものがみられたそうである
日本数学会によるご意見は以下の通り
「記述式入学試験を課している難関国立大学の合格者を除くと、「偶数と奇数の和が奇数になる」証明を明快に記述できる学生は稀、という結果になりました。二次関数の性質を列挙する問題では、意味不明の解答が多く、準正答のなかにも、すでに挙げた性質と重複する性質を再度挙げる解答が目立ちます。論理を整理された形で記述する力が不足しています。」
私もやってみました
偶数=2で割り切れる/2の倍数=2n(nは0、1,2、3、・・・)
奇数=2で割ると1余る/2で割り切れない数=2m+1(mは0、1,2、3、・・・)
偶数と奇数と足すと
2n+(2m+1)=2n+2m+1=2(n+m)+1
すなわち2で割ると1余る数字、すなわち奇数となる
どうでしょうか?
みなさんもトライしてみてください(問題は調査票のP.3から、)
正答例はこちら
幸い間違ってはいなかったようです
大学生の4人に1人「平均」分からず 数学基本調査、論理力欠如明確に(2012.2.24 23:03 産経ニュース)
「大学生数学基本調査」に基づく数学教育への提言(2012年2月21日 社団法人 日本数学会)