マナーは守りましょう
桜上水は別に”撮り鉄”でも”録り鉄”でも、そもそも鉄ヲタでもないのですが、動くものは陸海空問わず普通に好きなのでたまに撮りにいったりもします。何でこんな話を始めたのかと言いますと昨日、中央線快速として長らく親しまれてきたJR(国鉄)201系電車が定期運用を終えると言うのでかなりの鉄ヲタが群がり大混乱になったと言うニュースを見たからです。京浜東北線の209系のときもそうでしたが最近の鉄ヲタの行動には目に余るものがあります。流石に今回は京浜東北線の時のような『車体を押して揺らす』(はっきり言いますがこれは脱線の可能性もあり大変危険な行為。JRも警官を配置して”威力業務妨害”でこういうやつらを検挙させないとそのうち大事故がおきますぞ!)と言う悪質なことはありませんでしたが運転席にも車掌席にもフラッシュの嵐と言うのは流石にどうかと思います。皆さんも撮られた時に経験があるかと思いますがフラッシュを焚かれるとまず2,3秒間は目が全く言うことを効かなくなります。目の裏に光源がずっと焼きついて気持ちの悪い思いをしたことがあると思います。この現象は目が商売道具の運転士には命取りです。2,3秒目が眩むということは”2,3秒全く目が見えなくなる”と言うことです。いくら入線速度が遅いとは言っても50m前方のプラットホームから人が転落した場合轢殺すのには充分すぎる時間です。ましてや運転士さんはそういうことが起きても充分対応できるように前方ホームに視線を配置して入線して来てます。その視線上に目くらましのフラッシュを何本も焚かれるんですから運転士さんにすれば堪ったものではないでしょう。して、たまーに鉄道を撮りに行く桜上水、自然撮り鉄さんたちと話す機会が多くなるんですが彼らに言わせるとこういうマナーの悪い人たちはここ十年くらいで急に増加したそうです。奇人の桜上水から客観的に見ても彼らは決して常識人とは言えないのですが、少なくとも列車やそれを運行管理している運転士・車掌さんに対しては彼らは非常に心配りをしてます。そのひとつが前述した理由で『必要なとき意外はフラッシュを焚かない』です。これは彼らの間でかなり徹底されていまして、以前ある記念列車をふらりと撮りに行った時撮り鉄さんが、むやみやたらと動いている列車に向かってフラッシュを焚く素人さんを窘めている場面に何度も出くわしました。つまり彼らにとって『昼でも夜でも目をくらますフラッシュを運転士さんに浴びせることは論外』なのです。さて、なんでこんな話を長々するのかと言うと撮り鉄さんたちの『こんなことがこのまま続けば我々はそのうち撮影禁止になる』と言う焦りが最近になり非常な切迫感を併せ持って桜上水にも感じられるようになったからです。その気持ちは桜上水非常に良くわかります。何せ宮崎勤(彼は短大の写真科を出ています)事件以来我々スナッパーはすっかり冷や飯食いにされてしまってますからねぇ…桜上水はそこに加えてもうひとつのファクターがあると考えています。前述した”ここ十年”です。それは多少の時間のズレがあったとしてもピタリとデジタルカメラの普及速度と重なります。デジタルカメラの気軽さがユーザーを幼稚にしたと考えられないでしょうか?ちょっと考えれば”フラッシュが運転士の視界を奪う”なんて当たり前に思いつくと思うのですが幼稚なユーザーは”感度を上げればフラッシュを焚かなくて済む”とは考えません。特段自分の撮りたい絵のイメージがあるわけでもないのにむやみやたらとフラッシュを焚き捲ります。そうして出来た絵は”自分がそこにいたということを他人にアピールする記録”であって”記憶”ではありません。テーマがテーマだけに纏めにくいのですがここ十年でカメラを持つ人間がかなり幼稚化したな、と考えているのは桜上水だけでしょうか。せめて撮る上でのマナーくらいは伝えて行かないと。