シングル母のアメリカ暮らし

2004/05/07(金)10:09

Bitchの隣に王子様

アメリカよもやま話(65)

「SAKUZO, We have to be a BITCH!」 ランチをともにしたアメリカ人の友人が、いきなりこう切り出した。 「ヘっ?」 久しぶりの外食に心踊らせ、メニューを一心不乱に眺めていた私は、慌てて顔をあげた。「BITCH?」 言うまでもなく、ビッチとは<クソ女、アマ>などと訳されるあのBitchである。 「何で?」 「だからね、最近他の友だちとの間でも話題になっているんだけど、どういうわけか、ビッチにはいい男がつきものなのよー」 この場合のいい男とは、男前ということではなく、とてもいい人、優しい気のきく人、使える男など、内面的な事をさすらしい。 「うーん、そうかなあ・・・?」などと水を飲みながら、考える。 「絶対とはいえないけど、けっこうそういうのが多いのよ。何でこんなひどい女にこんないい男性が、っていうのがね。」 うーん・・・と思いつつ、今まで出会った歴代の横綱級ビッチの記憶をたぐり寄せる。いたいたいた、うーん、確かにあの人はそうだ。他には、あっ確かにあの人もそうだ。何でこんな性悪女にあんないいダンナが、って。あー、あれも確かにそうだなあ。 などとうなずいていたら、「ねっ!けっこういるでしょう?」と友だち。「だからね、私たちみたいなお人好しにはバカな男がついちゃうのよ!」 それはどうだかわからないけど・・・(笑) 彼女は私より10歳も年下の友人である。同じ頃離婚して、彼女には子供はいないけど、よくお互いになぐさめあったものだ。今は私が一人になってしまう日などに、時々一緒に夕飯食べたり映画を見たり。 スタイルもよくチャーミングで、仕事もできるし稼ぐしおしゃれだし。 それにとってもいい人だ。でも男運が悪い。 私の周囲にいる例をあげていえば、ひとりピッタりなのがいる。 彼女の発言や行動は、時として周囲の人間関係に波紋を巻き起こし、怒りの嵐を呼び寄せる。まったく器用な事にどこへ行ってもそうなのだ。そして本人は何故そういう事がおこるのか、まったく理解していないし、する気もない。確かに彼女のご主人は善人そのものだ。 でもねー、「あーあ、あの二人はお似合い夫婦だよ(怒)」っていうのもいるしなあ。 仮にビッチにならないと素敵な王子様はこない。としてもだ。 今のところ私は尼僧のような生活を送っているので、男と近づきたい気持は皆無である。私の男性に対する思慕や夢は元夫がこッなごなに砕いてくれたのだ。それより友だちに囲まれて生活する方がいいよーと言ったら、「そうねー、ダンナだけっていうのも孤独だわね。」 ひとつだけ思うのは、私と元夫の離婚が決まった時「いつかあなたをプリンセスのように大切にしてくれる人が現れるわよ」といって泣いてくれた心優しい元義母の側にいるのが、これまた優しく理解のある元義父のような人だという事だ。どうせなら、こんな例外もあるということ。 なんで、あんなに優しい両親からあんなロクデナシが生れちゃったのかしらねえ。 本日の献立: すきやき煮込みうどん、さつまいものレモン煮、残り物の八宝菜、 スイカ

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