シングル母のアメリカ暮らし

2004/06/16(水)06:08

チャット恋愛、ネット結婚

ちょっと真面目に考えた(18)

少し前に、離婚が決まってはじめて自助グループといわれる会の夕食会に出た時の事だ。 そこには私を含めて6人の離婚経験者、もしくは手続き中の女性がいて、そのうち4人は子供を持つシングルマザーだった。 パロアルトという町の、ダウンタウンのレストランに繰り出した私たちは、夜も更けるまでおしゃべりを続けた。 話が盛り上がったのは、ネット恋愛についてである。 一人の母親(とてもきれいな人だが体重は推定250ポンド)が、 「私は出会い系サイトにはまっているのよねえ」と切り出したのがきっかけである。毎晩いくつかのサイトに出没してはチャットルームでおしゃべりしたり、自分のプロフィールを送ったりしているそうだ。 過去にもうそれで何人もの男性とデートを繰り返しているらしい。 正直、びっくりした。 すると、もう一人の母親(子供が5人いる)が、 「私もよー。もう毎晩楽しくって楽しくって、PCの前から動けないわ。 だから毎日寝不足よ。」と言っていた。 二度びっくりだ。 二人で盛り上がっていたのが、どういうプロフィールを作るかということ。 まずは、自分でもたまげるほどきれいに写った写真を見つけて載せる事。 長所だと思える事はみんな書く。趣味だって一度でもやった事があれば、躊躇なく書き込む。読んでいて「ああ、いい女だなあ」と思わせるように仕向けることが大切だと言う。 それって、誇大広告じゃないですか、ねえ。 現れたオトコはまさか相手が6フィート250ポンドとは知らずにくるのである。5人の子持ちとは夢にも思わずに。 まさかそれは詐欺でしょうともいえないので、「会った時のお互いの反応は?」と聞くと、「そりゃ、向こうもちょっとはガッカリしているでしょうよ。でも、その辺はね、会話の面白さでカバーするのよ。」 感動した。 すごい自信である。 さすがはアメリカ人だ。 この揺るぎない自信こそが、私に欠けているものの一つなのだ。 私のささやかな自信なんて、離婚でこなごなになったんだぞ。 「だいたいね、相手だって、プロフィールほどはたいした事ないんだから、お互いさまよ。本当にひどいのもいるのよ」 それもそうだな。納得。 気が合ったら何度もデートをしたりはするが、今のところ、これといった人には出会えていないそうだ。 では、ここで問題です。 たった1回のチャットで、運命のソウルメイトに出会ってしまった、うちの元夫って一体何もの? 私は別にもう、元夫も相手も憎んではいないし、彼らの不幸を願う気もない。 というより、関心を持ちたくはないのである。 でも私たちの間には子供がいるので、好むと好まざるにかかわらず、関わっていかなければいけないのだ。なるべくネガティブなエネルギーを持ちたくはないのである。 だからといって、彼らの幸せを心から願うほど、私はお人好しでもないのだ。 ここではなはだ疑問なのが、いくらメールで2年もおつき合いしているからって、デートもそんなにしていない相手、顔もロクにあわせていない相手と、結婚などをする気になれるのか、ということだ。 まあ、それに関しては、もう結婚しちゃったんだから、これは愚問ですわね。 ただね、電話もネットも自分の精神状態があやしい時はつながなければいいだけの話。でも一緒に暮らすというのは、すごくすごく日常的な事なのだ。そして、クリックしないで見過ごせばいい、という訳にもいかない。 相手のおならがくさい、とか。 テレビをみながら鼻をほじっては無意識にカウチの裏になすりつけてる、とか。 くちゃくちゃ音をさせて食べる、とか。 お料理上手と言っておきながら、毎日お惣菜を買ってくるとか。 お腹がすくと攻撃的な性格になる、とか。 結婚して暴力が始まるような人間も少なくないのである。 きのうの王子様が今日の畜生に成り下がるようなもんである。 サイバースペースで盛り上がった恋愛は、 匂いも感情も触感も音もあふれている日常に、 飲み込まれてしまったりはしないのだろうか。 もちろん、どんな過程を経て結婚したって、うまくいく時はいくし、ダメなものはダメなのである。現実に私たちは3年つき合って結婚したが、結末はこうである。私の知り合いは、仕事先で出合った人と1週間で結婚を決め、10年経った今でも幸せに暮らしているのだから。 でもネットの場合はちと事情が違うような気がしてならない。 今は遠く離れた新妻にぞっこんの元夫、彼らの盛り上がりが「ネット>不倫>遠距離」のなれの果てに盛り上がっているだけなのか。 それとも本当に運命のソウルメイトを、見つけてしまっただけなのか。 ちょっと成り行きを見守ってみたい気もする。 ちょっと意地悪ですね、私も。フフフ 本日の献立: 焼きそば、ブロッコリーと牛肉の炒め物、冷やしトマト、スイカ

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