新 緑仙の日々是好日

2011/04/18(月)10:10

氷山の楽書き帳(傷口)

物書き(347)

澄み切った青い空 五月蝿いほどにさえずる鳥達の鳴き声 草も何故だか大きく育っている 海はいつも通りに白い波が 岩にあたり咲いては散り 散っては咲いているように見える 樹木の小枝にも若葉が色鮮やかで なにかを語りかけているように ふぞろいな葉の形がまるで自分のようだ このところ、乾燥した天気が続いている 空気が乾くと人の心も渇いてしまうのか‥ 空も海も木々も花も鳥の声も何かを つぶやきかけている 私もなにか自然につぶやいてみよう 雪柳の小さな小さな花びらが風に舞う 風が止んでその花びらが私の 傷ついた手の上に落ちて乗っている そして、ひそかに痕跡を残して地面に落ちた 傷口をなめてくれたような気がする むせかえるような春の香りの雪柳の花 赤い血の上に白い花びら‥ 傷口をかばってくれたのだろうか‥ ◇雪柳

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る