2011/04/18(月)10:10
氷山の楽書き帳(傷口)
澄み切った青い空
五月蝿いほどにさえずる鳥達の鳴き声
草も何故だか大きく育っている
海はいつも通りに白い波が
岩にあたり咲いては散り
散っては咲いているように見える
樹木の小枝にも若葉が色鮮やかで
なにかを語りかけているように
ふぞろいな葉の形がまるで自分のようだ
このところ、乾燥した天気が続いている
空気が乾くと人の心も渇いてしまうのか‥
空も海も木々も花も鳥の声も何かを
つぶやきかけている
私もなにか自然につぶやいてみよう
雪柳の小さな小さな花びらが風に舞う
風が止んでその花びらが私の
傷ついた手の上に落ちて乗っている
そして、ひそかに痕跡を残して地面に落ちた
傷口をなめてくれたような気がする
むせかえるような春の香りの雪柳の花
赤い血の上に白い花びら‥
傷口をかばってくれたのだろうか‥
◇雪柳