2011/12/01(木)21:40
新 緑仙の日々是好日(雪虫)
生まれて初めて「雪虫」を見た京の嵐山‥
バブルの全盛期の頃だった。
晩秋の朱の紅葉に染まる嵐山の小径で
白いふわふわしたものが肩に腕に手に舞い降りた。
その時、私は雪かと思った。
案内人がそっと囁いた。
「雪虫ですわ~
小さな可愛らしい虫でしょう?」
祇王寺の紅葉や厭離庵の紅葉を見上げながら
歩いている内、ずっと私の前を飛んでいる。
赤い景色に白い雪虫が
まるで、雪の妖精のように私の眼に映った。
それから、ずっと雪虫に出会うことがなかった。
今回、嵐山で久々の再会の「雪虫」‥
ふと思った‥
小倉山を横に眺めつつ、定家も
この虫がふわりと弱々しく飛ぶのを見たのだろうか?
「晴れくもる空にぞ冬も知りそむる時雨は峰の紅葉のみかは」(藤原定家)
「雪蟲のふくらむ綿毛薄衣」(緑仙)