バーバルヤマン
イエメンの繁華街は日本とだいぶ違う事は昨日でお解りかと思います。でも、違うのは人々のファッションだけではございません。旅先の市場でそこいらの店をひやかすのが私の趣味。店で売っているものもだいぶ違います。少し店先に並ぶものを見てみましょう。衣類が売っているのは似てますが、男性はおばQに女性は黒装束。他には名も知らないスパイスに量り売りのコーヒー。短剣から銀細工の小さなアクセサリーの可愛い物まで色々です。そんな中、私の目を一番引くものがあります。乳香です。乳香とは木の樹液での固まった物で、呼んで字の通りお香。日本でも線香のほかにも、最近ではアロマテラピーの流行で様々なお香が用意に手に入る。もともと深い興味がなかったとは言え、日本で乳香を見た事はない。品質の高い物はきれいな乳白色をしているそうだが、それらは非常に高価で私には到底手の出せるものではない。お土産用に買った乳香は濃い茶色に紫が混じった砂糖菓子のよう。私は旅行をする時五感をフルに使いたい。しかし五感のうち、嗅覚がポジティブな意味で使われる事はない。私が旅先で体験する匂いは市場で悪くなった匂いや、人々の体臭等と言った特殊な趣味の持ち主以外には好ましい匂いではない。そんな中で美しい匂いに出会えたのは幸せだった。これがアルハムドリッラー(神の思し召し)と言うヤツなのかもね。