営業マンの備忘録

2010/07/03(土)21:21

ファジル・サイ@紀尾井ホール(2010年7月2日)

ピアノ(185)

2010年7月2日 (金) 19:00 開演 (18:30 開場) 1列真ん中辺。 NHK-FMのマイクあり。 ヤナーチェク : ピアノ・ソナタ 変ホ長調 「1905年10月1日 街頭にて」 ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 op.31-2 「テンペスト」 プロコフィエフ : ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 op.83 「戦争ソナタ」 ムソルグスキー : 組曲 「展覧会の絵」 アンコール:ファジルサイ ブラックアース              3つのバラードより 第一曲 第二曲 ☆レビュー☆ 丸の内から赤坂に転勤になって二日目。 サントリーホールと紀尾井ホールが近くなった。 前回サイを聴いたのは4年前。そういや赤坂で後輩と友人をくっつける合コンの日だった。 途中抜け出して紀尾井ホールに駆けつけたものだった。 帰ってきて会話も無く、仕方なくカラオケをやっている後輩を叱咤したものだった(笑) そうそう、前回はサイに飽きてきた感があったのだが、それから4年。 不思議ちゃんになって帰ってきた。 音は良い。とても気を遣っている。 ただ、ひどくなったのは、床をタップダンスの如く踏み鳴らす大きな音と歌声。 そして岡本太郎のような芸術家風の表情(一昔前のランランのように、時には異次元と交信したり・・・)とピアノを交えた総合芸術かのような演奏に変貌した。 悪いことには、異次元と交信している時にテンポが間延びしたり、ミスタッチがあったこと。 ピアノは爆音を交えた快演だっただけに、最前列ではなく真ん中辺で聴いても良かったかもしれない。 照明が暗くなる前に、いきなり登場。 ヤナーチェク。チェコ人のコチシュの演奏も聴いたりしているが、サイの演奏の方が没入できた。出だしから音にとても気を遣っている。 そして曲の全体を通じては、曲のテーマでもある感情を強調するかのようなボルテージ。 ピアノがグラグラ揺れて、鼻歌もMAX。 ペダリングは秀逸で、はなす時でさえ一切ノイズを出さなかった。 相変わらず足は左右とも中空に浮いたままの不思議なペダリングだったが、床を踏み鳴らす以 外は完璧な音のコントロールであった。 テンペストもこの名曲に感情を込め、時に異次元と交信し花畑を駆け回るかのような不思議な笑顔を見せつつ。 2楽章などはちょっと冗長感もあったが、1楽章や最終楽章の有名なテーマは本日一番の注力で脂の乗ったファジルサイの演奏を堪能することができた。 (といいつつ、やはり緩序部分は冗長な印象あり) 戦争ソナタも、いきなりのクレッシェンドで爆音を奏でる。 今日の印象として、爆音が非常に多かった。ただ頭が痛くなる音ではなく、目を覚ます快音と感じた。 1楽章のプロコワールドや2楽章は相変わらず冗長感が感じられ、眠気も感じられた。 そんな時は、花畑を駆けているような表情・・・。 3楽章。タップダンスのように足踏みが止まらない。 以外にもオーソドックスなテンポでゆっくりと駆け抜けた。 てんこ盛りの前半に続き、展覧会の絵。 こちらは、やや聴き疲れが出てきた。 具体的には鼻歌と足音が気になり、ピアノの音に集中できない。 演奏はというと、相変わらず冗長な箇所はかったるく。 快活に聴かせたい箇所も、ややミスや強調がイマイチで輪郭が明確ではなかった。 豪快に終わってブラボー!の声が多かったのも事実ではあるが。 個人的には、(鼻歌と足音に)疲れた、の一言。 アンコールは自身の曲三昧。 とても良かった。 4年前にも聴けたブラックアース、メトネルを思わせるかのようなロマンチックなメロディーラインのバラード。 いずれも中規模の曲だっただけに、終演は21時10分頃。 沢山楽しむことができた。 4年前は、慌しい感じのファジルサイだったが、今年はピアノ演奏としては充実してきた。 とても注力した音だった。 ただ、歌声と足音がうるさすぎる。また表情をつけるとミスに繋がるので、普通に弾いてくれないかなぁ。 毎回演奏スタイルが異なり、さすが一筋縄ではいかないファジルサイの2010年公演だった。

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