カテゴリ:ピアノ
2015年6月16日 (火) 19:00 開演 (18:30 開場)会場 紀尾井ホール 2列目真ん中へん 出演ピアノ: ハオチェン・チャン プログラムヤナーチェク: ピアノ・ソナタ 「1905年10月1日 街頭にて」 シューマン: クライスレリアーナ op.16 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 op.81a「告別」 スクリャービン: 2つの詩曲 op.69 詩曲 op.32-1 ヒナステラ: ピアノ・ソナタ第1番 op.22 アンコール リスト: ラ・カンパネラ シューマン: トロイメライ モーツァルト: ピアノ・ソナタ第10番ハ長調 K.330から 第2楽章 === 開演前。ロビーに響き渡る調律の音。 モニター(TV)から聴こえる音なのだが煌びやかで艶々。 会場に入っても同じ印象。キラキラして素晴らしい音。 このピアノは会場で長いこと使われているスタインウェイ。 このピアノ、私も弾いたこと(触ったこと)があるのだが、タッチの感触が良く音のコントロールもしやすくてピアニストの評判も良い。とても大事にされているピアノである。 このピアノのことを数年前に来日したアレクセイ・スルタノフ夫人が「スルタノフが演奏したピアノがまだホールにあった!」と記憶し喜んでいた。 1989年クライバーンコンクール優勝のスルタノフ、2009年優勝のハオチェン・チャン。 会場とピアノが結びつけた二人のことを思い当夜の演奏が楽しみになった。 (調律で聞き覚えのある高音をカンカン調整しているものだから、カンパネラ弾くんだなと思った・・・) ハオチェン、1年ごとに聴いているが、去年あたりまでの感想と今年は異なってきた。 世界中を回って経験値を積んでいるのであろう、楽曲の輪郭ともいえる低音の逞しさのため右手で奏でるテーマがいっそう強調されつつ自由自在なのだ。 ヤナーチェクの冒頭からその経験値を感じつつ(曲も「予感」といいますが・・・)、後半の暗い闇の中までぼけることなく描ききる。 シューマンはそんなわけで音色の立体交差が巧み。時にはカーネギーホールの後ろの席まで響かせることを意識している(いや、体が勝手に反応している)ほどの強烈で深い打鍵が心地よい。 シューマンの躁鬱を特には陰鬱な箇所も飽きさせることの無い濃縮された演奏。 (ここらへんで、おっさんのイビキが最高潮に・・・迷惑な客はつまみだせ) その陰鬱をエレガントな曲調のスクリャービンも聴き応えがあり、ヒナステラは後ろのマダムたちの黄色い吐息が聞こえてくるほどのインテンポで圧巻極まりないテクニック。 カンパネラも凄く簡単そうに豪快に弾いちゃうのね・・すごい。 終演はシャンパン会の5分前という計算尽くされた演奏会。 そしてサイン会は無くシャンパン会突入。 世界中を駆け回っているピアニストなのに、私ごときを記憶していてくれて嬉しかった。 近くで見ると弟のような存在に感じられるのが不思議。 次も一年後かしら、カジモト社長も楽しそうに飲んでいたのが印象的だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年06月20日 00時38分41秒
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