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2008.02.04
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カテゴリ:旅の話
思いがけない雪景色となった日曜日。

雪の温泉町に行くつもりが、家のまわりが銀世界とは・・・と、皮肉な結果に苦笑いしつつ、夫と兵庫県の湯村温泉へ行ってきました。

080204amarube.jpg


JR山陰本線の餘部(あまるべ)駅から見た、餘部鉄橋です。
トンネルから滑り出てくる列車が、日本海を背景に走り抜けるのを見ていると、脳裏に、武満徹の切ない旋律が甦ってきました。

私の大好きなNHKドラマ、「夢千代日記」のテーマ音楽。

湯村温泉は、このドラマの舞台となった温泉町であり、そろってドラマのファンである私たち
が、いつか訪れたいと願っていた場所でした。

【町も夢千代モード一色。でも、山上の『夢』のモニュメントは・・・どうなの?】
080204amarube2.jpg


名作として何度も再放送され、映画にもなり、吉永小百合さんの代表作として知られているので、ご存知の方も多いと思います。

今様に言えば「勝ち組」の人間は誰も出てこない、人にやさしさを与えることで、かろうじて自分を救っているような・・・そんな人々の姿に、何度観てもジーンと、切ない感動を覚えるドラマです。

【主人公の芸者・夢千代は被爆二世。原爆症により余命僅か、という設定です。】
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温泉町に佇む『夢千代像』の台座は、広島市から贈られた被爆地の石が使われています


【ドラマのセットが再現された『夢千代館』。緑魔子が出てきそう】
080204yumura1.jpg


湯村温泉の歴史は古く、慈覚大師が平安時代に開湯したのだとか。

「荒湯」と呼ばれる元湯は、98度の高温泉が毎分470リットルも湧出しているそうです。ドラマにも度々、「荒湯」で玉子や青菜を茹でる場面が登場していました。
今や、みやげ物屋の店頭で玉子やさつまいもを買って茹でることが出来る、観光スポットとなっています。

080204arayu1.jpg080204arayu2.jpg
(右)観光客に混じり、地元のおばあさんがほうれん草と玉子を慣れた手つきで茹でていました


私たちももちろん、文字通りの「温泉玉子」作りにチャレンジしました。
売店のおばさんからは「12~3分茹でてくださいね」と言われるのですが、言うことを聞かず(笑)ちょっと早めに10分で引き上げてみると・・・

【トロンとした黄身が絶品の、美味しい半熟卵が完成】
080204arayu3.jpg


宿の方に教わったところでは、温泉成分に含まれる重曹の作用で、玉子も野菜も「荒湯ならでは」の絶妙な味に茹で上がるのだそうです。

だからといって、自宅のキッチンで、重曹入りの90度のお湯で10分玉子を茹でても、この「美味しい!!」という感激は再現できないんだろうなぁ・・・
それだから、旅先の一期一会が貴重なのだと、心して味わった玉子のお味でした。

【松葉ガニや但馬牛にも、一歩もひけを取らない美味しさでした】
080204yumura3.jpg


最初の写真の餘部鉄橋は、架け替え工事がすでに始まっており、クレーンが橋脚の下で忙しそうに動いていました。
いつかこの目で見てみたいと思っていた光景。ぎりぎりセーフ、という感じです。

私にとって、いつか行きたいと願っても、最期まで訪れる夢が叶わない場所は、きっといくつもあるだろうと思います。でも、その逆もある訳で・・・

夢千代さんのいた町で、夢についてしみじみと思いを馳せた小旅行でした。

【NHK「夢千代日記」はDVD化されています。私はシリーズ二作目、石坂浩二がゲスト出演した「続・夢千代日記」が一番好きです。でもやっぱり、どの回も、どの科白も・・・好きです。】





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最終更新日  2008.02.05 20:17:35
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