ふたり暮らしの手帖

過日、直木賞を受賞された女流作家の井上荒野さん。

ペンネームだとばかり思っていた彼女の名前が、本名であるということを最近知って、ちょっとびっくりしました。
お父上が小説家（井上光晴）であることを思えば、さもありなん…という気もしますが、女の子の赤ん坊を見て「荒野（あれの）」とは…やはり、凡人には浮かばぬ発想だと思います。

そういえば、今回の直木賞の受賞作は「切羽へ」という作品。
切羽詰った、という表現があるように、炭鉱の坑道などでそれ以上先に進めない場所のことを指す言葉ですが、これ、荒野さんの妹のお名前でもあるそうですね。

荒野ちゃんと切羽ちゃん。並べると、なんとも緊張感の漂う姉妹？
その名付けに込めた親心ってどんなものだったのか、聞いてみたい気がします。
そういう名前を背負って生きることについての感想も…




自分で子どもの名付けをした経験がないので偉そうなことは言えませんが、名前って、生まれた子どもに贈られる最初で最大の贈り物のように思えてなりません。

ちなみに私の本名（ちなみに、サリィも斉藤も本名とは異なります・笑）は、祖父が名付けてくれました。
正直、字面も読みも“華やかさ”とか“愛らしさ”とは無縁の名前なので、子どもの頃は周囲の女の子の名前をうらやんでばかりいましたが（まるで赤毛のアンのよう）、成長するにつれ、好きになりました。

漢字が人に説明しやすいことと、どんな占いでも太鼓判を押してもらえる“画数の素晴らしさ”がその主な理由。
姓名判断だけ信じれば、私は生涯お金に困らぬハイクラスな安泰人生が約束されていると…ただし、これはあくまでも旧姓の話。だから現在の境遇は…（以下略）。
まぁ、愛があればお金なんて、ということにしておこう（笑）

最近のお子さん達に多い、凝りに凝ったお名前も、個人的にはちょっと眉をひそめてしまうのですが、それだって、親心の夢や希望がたくさん詰まっているのでしょうね。
小学校の教諭をしている友人は、新一年生の名前の判読が年々困難になってる！読めないし書けない！とボヤいておりますが…

反対に、他人様の名前でありながら、なんて素敵な…と名付けのセンスを賞賛したくなるケースもたくさんあります。
個人情報なので（笑）ここで友人知人の具体例を紹介するわけにもいきませんが、苗字と名前のバランス、音の響き、字面…すべての点で、「いい名前だなぁ～」と見るたびに思うのが

小泉今日子

というお名前です。

たしか、キョンキョンのこの名も芸名ではなく、本名だったのではなかったかしら？
キョンキョン、ってニックネームも（ｋｙｏｎ2、という書き方と共に）個性的でかわいいですよね。