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テーマ:旅の写真(3468)
カテゴリ:旅の話
運動嫌いで、山歩きにはまったくご縁の無い私ですが、実は、死ぬ前に一度訪れたいと憧れていたトレッキングの名所が二ヶ所あります。 一つは、ニュージーランドのミルフォードトラック。そしてもう一つが、今回念願を果たすことが出来た、屋久島の“白谷雲水峡”でした。 最長コースの原生林歩道~太鼓岩コースを何とか踏破した時には、7時間弱もの時間が経っていました(体力のない私のペースにつきあってくれた夫に感謝)。 体中の水分が全部入れ替わったのではないかと思うほど汗をかいて、運動不足の身体にはちょっとしんどかったですが、五官で自然を感じた濃密な一日でした。 大好きな、宮崎駿監督の映画のモチーフとしても知られる森の絶景。この目で見たいという夢がかなってうれしかった! 旅行中は晴天に恵まれ、何箇所かあった沢の水量も少なめ。 何とか滑らずに渡ることが出来ましたが、足運びはおっかなびっくり… どれほどの長い間、この森で大きくなってきたのでしょう? 時間の感覚を超越した存在感! 一番最後に、一番険しい山道を上ってたどり着く太鼓岩。 晴れた日の眺望は素晴らしいはずですが、この時は視界がこんな感じ… シシ神様??と思ったらヤクシカ。島に滞在中、何度も出会いました。 望遠機能を使わなくてもこんな写真が撮れるくらい、接近遭遇。 南方熊楠センセイに献上したいような、見事な粘菌アメーバを発見。 屋久島は花崗岩で出来ている島で、豊かな土壌に恵まれていない分、黒潮から立ち上る水蒸気が大量の雨となって、植物の命を育んでいます。 深い森の巨大な木々たちも、生い茂るコケや他の植物と、命を複雑に絡め合わせながら、膨大な時間をかけて成長してきたのですね。 まるで、島全体が巨大な水耕栽培のシステムを形づくっているよう。 白谷雲水峡のトレッキングを終えた翌日は、同じく自然休養林である“ヤクスギランド”へ。 かわいいネーミングとは裏腹に、ここも原始の森の雰囲気が濃密に漂っています。 看板犬ならぬ看板鹿??? 入り口で入場料代わりの協力金を支払う夫の背後で、微動だにせぬ雄のシカ。 ヤクスギランドには数種類の順路があり、手軽なコースは道が整備されています。 しかし、激しい筋肉痛の身には、この階段が恐怖なのであった…!! 注:「皇潤」のCMではありません 森へ近づいて行くと、道路でこんな光景によく出会いました。 「あの…通していただきたいのですが…」 徐行運転の車には慣れているのか、ビクともしないヤクザル達。 ヤクシカもヤクザルも、訪れる人間を恐れもせず堂々としていました。 その態度は非常にクールで、観光地にありがちな 「エサよこせ!」 的な関係性が出来ていないというのが、とても好もしかったです。 人間の頭で考える“秩序”なんて、自然の前ではちっぽけだ…と、 森の木々たちの命の連鎖を目の当たりにして、思い知らされました。 ※今回の宿泊先。湯の花の浮く温泉が、歩きつかれた足にどれほどありがたかったか…!※ 屋久島いわさきホテル <屋久島> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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