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カテゴリ:お出かけの話
せっかく上京する機会が出来たので、予定の合間を縫ってお芝居見物でも出来たらな…と思っていたところ、金曜日に運良く実現できました。
今回は、カード会社のプレイガイドで、期日が迫った公演を対象に実施されている割引チケットを購入。 今月の新橋演舞場は、お値ごろな席はよく売れていたのに、1等や2等はいつまでも「席に余裕あり」の表示が… 実際、前方にまとまった空席も目立って、平日とはいえ少し淋しい気もしました。人々のお財布の紐が固くなっている表れなのでしょうか? 私が見たのは昼の部、まずは真山青果作「頼朝の死」。 鎌倉時代が舞台ですが、新劇にも通じるようなシリアスな心理劇。 真剣に見ていたらエネルギーを消費したのか、おなかペコペコ(笑)という訳で、お昼休憩です。 実は、この日のチケットは割引価格の上にお弁当付、というものだったので、私にしては珍しいことに、劇場地下の食堂へ足を運びました。 何しろ食べるのが遅い上に、機敏に動くことが出来ない性質なので、どうかすると休憩時間に食事が終わらない危険性が(苦笑) そんな訳で、大抵は折詰やパンなど持ち込んで、ロビーや客席でマイペースに小腹を満たすのが、私の劇場での食事スタイルなのですが… 今回は、打って変わってきれいなお弁当でランチタイムです。 しんじょのお椀も、温かくてとっても美味しかった。 おしゃべり相手もいないし、集中して食べれば大丈夫だろう…と思っていたら、見た目よりずっとボリュームがあって、食べ終わった瞬間に開演5分前のアナウンスが(!) 第二部「連獅子」が、この日の私にとってのメインイベント。 坂東三津五郎さんと巳之助さんの親子が共演する一幕です。 (何を隠そう私、三津五郎さんが八十助時代、NHKの朝ドラ「おていちゃん」に出演されていた頃からのファン) 父と子でありながら、家の芸を継承していく師匠と弟子でもある。そんなお二人の関係性が、 「親獅子が、仔獅子を千尋の谷へ突き落とし鍛える」 という舞踊の主題に重なって見え、何度も胸が熱くなりました。 今回、2階最前列という良い場所で鑑賞して、踊りの合間に花道で巳之助さんが息を弾ませている様子や、退場する三津五郎さんの額に汗の玉がびっしり浮いているのもわかりました。 アクロバティックな動きはなくても、本当に全身を使った、体力勝負の表現なのですね。 日本舞踊については経験も知識も持ちませんが、私は三津五郎さんの踊りが大好きです。 決められた型に則っているはずなのに、指先まで自由で、心から湧き出てくるような自然な動き。 その軽やかさが清々しくて、うっとりと見惚れてしまうのです。 クライマックスとなる獅子の毛振りは、まだ?まだ?と、観ていてドキドキするくらいの長さでした。 満場の拍手喝采で、劇場の空気が一つになった瞬間だったように思います。 ロビーにて。七世、八世、九世三津五郎の追善狂言でもありました。 余韻に浸りつつ、最後は黙阿弥の「盲長屋梅加賀鳶」。 仁左衛門さんの粋な鳶職人が見られる!と思うと、開演前からドキドキ。もちろん、期待に違わぬ凛々しさでした。 オールスター出演の「本郷木戸前勢揃い」の場が華やかに終わると、ここからがドラマの始まりで、舞台は「盲長屋」というすごいタイトルどおりの一角へ。 何かと思えば、按摩さん達が集まって暮らしている、読んで字のごとくの長屋なのです。 (ちょっと、この映画の一場面を思い出してしまった…) 強欲な悪人なのに、どこか可愛げのある主人公を演じたのが團十郎さん。 これがまた本当にユーモラスで、ドリフのコントのように(?)進行する終盤の捕り物劇では、私の近くにいた外国人のご一行が大喜びでした。 お笑いって、ジャンルを問わず「間の取りかた」が上手くないと台無しだと思うのですが、その点、團十郎さんは素晴らしかったです。 今回、十数年ぶりに訪れた新橋演舞場。 朱塗りの柱や赤い絨毯が華やかだった歌舞伎座に対し、全体の照明も調度品の色調もとても落ち着いた感じで、「大人ゴージャス」な美しい空間でした。 十月公演は今日で千秋楽ですが、とてもステキな劇場なので、未体験の方にはぜひ、足を運ばれることをお奨めします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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