カテゴリ:本の日記
Chloe@写真の生まれた国にいます。 パリへの機内でロラン・バルトの「明るい部屋 写真についての覚書」を読みました。 この本のことは以前から知っていたのですが、難解そうなイメージがあって手にとっていませんでした。最近、人に薦められて購入したのですが、実際に読んでみると、すごく親しみやすくて共感できる本でした。 バルト自身が惹かれた写真を掲載して、彼の言葉を借りるとプンクトゥム(punctum)、その写真のうちにあって、見る人を突き刺し、あざをつけ、胸をしめつける偶然、がどこにあるのかを語っている箇所は、写真の見方の一つの形として興味深く感じました。 一番、印象的だったのは、写真の本質を《それは=かつて=あった》ことだと定義していることです。 「いま私が見ているもの、それは絶対に、異論の余地なく現前していた、がしかし、すでによそに移され相違している」という文章には、写真の記録性とか一期一会とかいう言葉でなんとなく意識していたことが凝縮されている気がしました。 いや、本当はもっと深いのかな?なにしろ、本は以下の文章で締めくくられているのですから。 そのレアリスムが、絶対的な、もしこう言ってよければ、始原的なレアリスムとなって愛と恐れに満ちた意識に「時間」の原義そのものを思い起こさせるなら、「写真」は狂気となる。つまりそこには、事物の流れを逆にする本来的な反転運動が生じるのであって、私は本書を終えるにあたり、これを写真のエクスタシーと呼ぶことにしたい。 私はまだ、「写真の狂気」や「写真のエクスタシー」はわかりません。それでも、写真」の中に瞬間を閉じ込めて、その偶然を愛していくことで、何かがつかめるような気がしてきました。 写真はCANON G10で機内から撮ったデンマーク。街も畑も雪化粧していました。 人気blogランキングに参加しています。よかったらクリックしてみてくださいませ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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おはようございます
哲学的な文章ですね。あまり難しく考えてないオイラでした。たまには書物も読まないとですかね(;^_^A(;^_^A イメージの幅が広がるといいかなあ。 (2010.12.07 08:37:28)
鉄っちゃん、
実際に本を読んでみると、すんなりと入ってくる感じでした。人との出会いのようにタイミングがあって、この本を読むのにいいタイミングだったのかもしれません(^^)。 時には読書もいいものですね。 (2010.12.07 11:16:06)
深いですよね~今、シャッターを切るとそこには、過去が 同じ場所で同じ時間に撮影したとしても、印象が違うし 心に突き刺さる・・・感動する1枚の写真になる なってしまう・・・偶然もあると思うから面白いのかも? それが絵画と違う所なのかと思います。 まぁ~私は、見るだけですが・・・ (2010.12.07 12:57:59)
ほしのきらり。さん
きらりさんの旅写真も大好きですよ♪ まさにその場所に行って、いろいろと楽しんでいるからこそ撮れる作品だと思います。クロアチア旅行でもたくさん写真を撮ってきてくださいね~。 (2010.12.08 18:03:45) |
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