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ミステリの部屋

2006年05月06日
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神山高校に進学した折木奉太郎は、世界を放浪中のエネルギッシュな姉から手紙で薦められ、古典部への入部を決めます。
古典部は廃部寸前のはずでしたが、ほかに入部者がいました。

名家出身である黒髪の少女、千反田える、

奉太郎の友人で、手芸部にも所属する人間データベース、福部里志、

幼馴染みで、毒舌の図書委員、伊原摩耶花。

4人は「古典部とは?」という疑問を抱きつつも、文化祭までに文集を作ることを決めます。
古典部の文集のタイトルは「氷菓」らしいのですが、部室にはそのバックナンバーすら存在しません。
文集は見つかるのでしょうか、そしてそのタイトルに秘められた、33年前の謎とは……。


米澤穂信さんの作品を読むのは3作目です。

前回「春季限定いちごタルト事件」を読んだ時、小市民を目指すという主人公の生き方は、すんなり受け入れることはできませんでした。(→ 感想  )

そして今回の主人公は省エネがモットー。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に。」

若い者がそんなことでいいのかと思いつつ、それほど違和感を感じないのは、同じような高校生は結構いそうだし、自分にも多少はそういうところがあるからかもしれません。

仲間との高校生活を経て、主人公の生き方にも変化があるところは、微笑ましく思いました。

4人の古典部員の会話は、高校生とは思えない古い言い回しや、難しい言葉を使うので、そこらへんがまさに古典部という感じもします。

学園物ですが、ミステリに主眼を置いているため、甘さは過剰ではありません。
そして学校という、独特なルールで動く、ある種閉ざされた世界が舞台。
その雰囲気が爽やかで何より良かったです。
誰もが懐かしさとリアルさを感じる雰囲気の中で、小さな日常の謎から始まり、33年前の過去にさかのぼる大きな謎へと終結していく過程は、夢中になる面白さでした。

そして、最後にはほろ苦さをかみしめながら、次の「愚者のエンドロール」も読もうと決意していました。

タイトルにも謎があるという周到さのおかげで、「氷菓」という作品は忘れられなくなりそうです。



氷菓  氷菓 : 米澤穂信










最終更新日  2008年03月13日 11時55分00秒
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