ミステリの部屋

2009/01/20(火)13:26

サイン会はいかが?:大崎梢

日本ミステリ(あ行作家)(52)

<あらすじ> 同一書籍に四件の取り寄せ依頼。 ところが連絡を入れると、四人が四人ともそんな注文はした覚えがないと…。 「ファンの正体を見破れる店員のいる店でサイン会を開きたい」―若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に、名乗りを上げた成風堂だが…。 駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかりものの書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵のコンビが、書店に持ち込まれる様々な謎に取り組んでいく。 短編五本を収録した本格書店ミステリ、好評シリーズ第三弾。 (「BOOK」データベースより) 『配達赤ずきん』(感想)、『晩夏に捧ぐ』(感想)に続く、成風堂書店事件メモシリーズの第三弾です。 杏子と多絵の名コンビが活躍するシリーズですが、その他のスタッフのキャラクターも立ってきて、ますます面白くなりました。 二作目の『晩夏に捧ぐ』は出張編ということで、二人は信州に出かけて行き、老舗書店で起きた幽霊騒ぎを解決しました。 今回はまた成風堂に戻り、書店で起こる謎を解く 連作短編集になっています。 取り寄せトラップ/君と語る永遠/バイト金森くんの告白/サイン会はいかが?/ヤギさんの忘れもの ほのぼのする話やヒヤッとする話に、ジーンとくる話もありました。 「取り寄せ」や「付録」についての裏話もあって、書店員さんの苦労も知ることができます。 家の近くの駅ビルの書店で働く店員さんにも、苦労があるのでしょうね。よく行くわりには  ちっとも買わずに立ち読みばかりしていて、申し訳ないですw 今回、「成風堂通信vol24.」という特別付録も見逃せません。KとFによる対談や、成風堂のタイムテーブル、成風堂のアルバイト募集のお知らせ、マンガや、エッセイまで載っていて楽しいものになっています。 ミステリとしてはやや強引な推理も見受けられましたが、書店がらみの謎というのは、とにかく魅力的。 本好き、書店好きにはたまらないシリーズです。 サイン会はいかが?:大崎梢

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